暁 〜小説投稿サイト〜
まともに相手にしてもらえなくて・・ おまけにブスといわれて
3-5
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 夏休みになって、私達のグループの何人かがいつも駅の近くの公園でたむろしていた。そして、久美を頼って1年生の子も時々顔を見せていた。私に、紹介していたけが、申し訳ないけど、私はあんまり興味がなかったのだ。

 8月になって、お母さんが

「紗奈 お盆休み取ったから 宮津に行こうね」

「えー あんまり行きたくないなー だって 今年も、花火も中止なんでしょ つまんない」

「そんなこと言わないでよー もう ずーと行ってないし おばあちゃんも紗奈に会いたいって・・だから、今年は行こうよ」

「うーん おばぁちゃんかー・・ 元気かなー」

 宮津はお母さんの実家なんだ。もう、最後に行ったのは、私が小学校の6年の時だから、5年も経つ。おじいちゃんの初盆の時だ。用水路で朝になって発見されて、多分、酔っぱらって落こっちゃって、そのままだったんじゃぁないかと・・突然だった。

「そうよ いつまでも元気かどうかわからないわよ」

 前の日の夜、小さめのトランク型バスケットに、用意をしていると

「紗奈 その短いショートパンツで行くの? 久しぶりなのに、もっと、女の子らしい恰好にすればー」と、お風呂あがりのお母さんが言ってきた。

「うーん 旅行中はこのほうが楽やん 脚も広げられるしね でも、ワンピースは入れたよ 向こうで着る」

「じゃぁ せめて帽子はストローハットのものにね 野球帽は嫌よ」

「そうかなー この方が恰好良いと思うけどなー」

「恰好良いと思ってるのは本人だけよ ストローハットの方がリボンも付いているし可愛らしいわよ」

 私達は京都から特急に乗って、宮津に着いた。お父さんは何だかんだと理由をつけて、来なかった。おそらく、何日かはゴルフなんだろう。私は、着いたらタンシチューを食べさせてねという条件で了承したのだ。市内の洋食屋さんで、昔、お父さんに食べさせてもらって、とってもおいしかったのを、思い出していたのだ。

 少し、歩いてお店の前まで行くと・・あぁ そうだ こんな、いかにもって感じのお店。幸い2階の道路側の席に案内してくれた。おいしい・・思い出した・・この味。あの時、あんまりおいしいと言う私をみて、お父さんも満足そうな顔をしていた。今は、お母さんが、珍しく、柔らかな微笑みを私に向けていた。その時、私も素直に喜んでいたのだろう。

「サダちゃん まぁ 大きくなって・・」と、私を見るなりおばぁちゃんに抱き寄せられてしまった。

「おばぁちゃん 元気そうで良かった・・ ねぇ ウチ 汗くさいから・・もう・・ 離して」

「そうかい そうかい 外は 暑いからね こっち来な 裏の縁側なら、涼しい風が通るよ 冷えたスイカもあるだで」

 お母さんの実家は、市街地から少し、離れていて、歩くと3
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ