暁 〜小説投稿サイト〜
相良絵梨の聖杯戦争報告書
誰がマスターとして舞台にあがるのか?
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
かすための軽油のタンク。
 そして、三人が生活するための食料を保存する冷蔵庫と生活必需品がアインツベルンのペーパーカンパニーに納品されていた。

「納入された品物を見るに、多分狙い目は発電機を動かす軽油です。
 多分、あの様子で使っていったら、一週間経たずに油が足りなくなるでしょう」

 記憶を消せると高をくくっているのだろう。
 そのあたりの狙い目を遠慮なく突かせてもらう事にしよう。
 私たちでなく米軍あたりが。

「そういえば、接触してきたらしい獅子劫界離って男の行方が分からないのよね」

「安倍さんの知り合いらしく、後で触媒をお願いしてきましたよ。
 鞍馬山の天狗の羽団扇を」

 安倍さんが私たち側の人間という事を察して依頼してきたみたいで、受け取る予定の冬木のコインロッカーには未だ現れていない。

「召喚するとしたら鞍馬天狗かしら?」

「鬼一法眼かもしれませんがね。
 何が出るか分からない縁召喚をするよりはましなんでしょうね」

 聖杯戦争はある意味西洋系魔術によって英霊を召喚するという事から、東洋のというか日系の英霊を呼べないと言われているが、安倍さんの屋敷で見たシャドウサーヴァントが鬼だった事から、私たちは多分呼べると判断していた。
 そのあたりを獅子劫界離が知らない訳がなく、私たちへのブラフだろうと判断していたが無視する訳にもいかない。

「そういえば、あのCIA来ないですね?」

 大体監視も兼ねてここに来るはずのCIAのアンジェラの姿が見えない事を私が尋ねると、若宮分析官は白々しい顔でその理由を告げる。

「向こうはマスターを用意して参戦するんでしょう?
 下手に私たちに情報を与えたくないんじょうね……もしもし?
 え?テレビ??」

 言われるがままにテレビをつけると飛行場みたいなところが一面大火災に陥っていた。
 テロップには『横田基地にて米軍機墜落炎上』と書かれている。

「まさかこれ……」

「絵梨ちゃん。
 多分当たっているわ。
 ひそかに監視していた連絡員からの電話だったんだけど、カーシュラという魔術師が今日ここで召喚の儀式をやっていたらしいわ」

 若宮分析官はそこまでしか言わなかったが、それで十分だった。
 米軍が雇ったカーシュラという魔術師は何を呼び出して、何を失敗したのか今の私たちに分かるはすがなかった。


[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ