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イベリス
第六十五話 静かにはじまってその九

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「終わりよ」
「食器のお皿もなのよね」
「洗ってね」 
 洗剤を使ってだ。
「それでお皿を拭いてね」
「終わりらしいわね」
「お母さん知ってたのね、このこと」
「イギリスに行ったお友達から聞いたの」
「それで知ってるのね」
「その国それぞれでよ」
「イギリスだとそうするのよね、あそこはお水の関係で」 
 実は日本の水とは違い硬水でありしかも石灰分がかなり多いのだ、これはイギリスの国土に石灰の要素が多いからである。
「お風呂はそうして入ってね」
「シャワーはそうしてね」
「お皿もそうするのね」
「ええ。けれどお母さんとしてはね」
「お風呂がいいのね」
「肩凝り治したいから」
 そう思うからというのだ。
「是非ね」
「お風呂なのね」
「夏でもね。ただね」
「ただ?」
「イギリスってお風呂のことといいお料理のことといい」
「まずいって評判よね、お料理」
 咲はこのことを話した。
「私もよく聞くわ」
「しかも寒いし雨も霧も多いのよ」
「何かと暮らしにくい国?」
「そう思うわ」
「そうなのね、まあ寒いことはね」
「事実でしょ」
「イギリスから来た子も言ってるわ」
 学校のというのだ。
「特に食べものがね」
「イギリスは駄目っていうのね」
「もう絶望的に」
 そこまでというのだ。
「酷いらしいから。最近ましになったらしいけれど」
「そうなの」
「中華料理やインド料理で」
「イギリス料理はないわね」
「兎に角カレーを食べるそうなの」
 イギリスではというのだ。
「そうなってるらしいの」
「カレーね」
「あそこ昔はインドを植民地にしてたし」
 歴史にある通りだ、そして第二次世界大戦後にイギリスから独立し今に至る。小公女もインドにダイアモンド鉱山を持っていたことからもそのことがわかる。
「だからカレーがね」
「よく食べられるの」
「そうらしいわ」
「お母さんもそれは知らなかったわ」
 母は少し驚いた顔になって応えた。
「イギリスではカレーをよく食べるのね」
「それでね」
「お料理もよくなってるのね」
「アメリカは実はいいらしいけれど」 
 料理はというのだ。
「けれどイギリスはね」
「ずっと悪くて」
「最近ましになって」
「カレーがよく食べられるらしいのよ」
「成程ね、じゃあ明日は」
 母はカレーの話を聞いて思いついて話した。
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