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神の料理
第二章

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「いつも思うことだが」
「特にアテナ女神を」
「そうだ、優れた者であることは事実だが」 
 それでもというのだ。
「子供を甘やかし過ぎるのはよくない」
「あの、それを言いますと」
 クリュサオルはゼウスにも不満を言うポセイドンに話した。
「父上も私達をかなり」
「それはそれこれはこれだ」 
 ポセイドンは息子に素面に戻って答えた。
「自分はどうでも他の者には怒るのが神であり人だ」
「そういうものですか」
「そうだ、だからな」
「父上はいいのですね」
「そういうことだ、では兄弟に言おう」
 こうしてだった。
 ポセイドンはゼウスを通じてアテナに挑戦状を叩き付けた、するとゼウスは面白がってこう言った。
「よし、面白いことになったぞ」
「あの、父上」
 そのゼウスに他ならぬアテナが諫言した。
「叔父上の言われることは」
「子供っぽいな」
「海界の主神としてどうかと思いますが」
「何を言う、面白いならだ」
 ゼウスはそんな娘に笑って返した。
「それに乗るものだ」
「例え一つの世界の主神でもですか」
「そうだ、流石は兄弟だ」
 ポセイドンにこうも言うのだった。
「もう一人の兄弟もそうだが」
「ハーデス叔父上もですか」
「こうでなくては面白くない」
「私がオリーブを使って美味しいものを作るならですか」
「なら自分の治める世界の産を使ってみせよとな」
「そう言われることがですか」
「我等兄弟だ、それでそなたは受けるのか」
 ゼウスはアテナに問うた。
「今回の挑戦を」
「謹んでお受けします」
 アテナは畏まって答えた。
「そして必ずやです」
「海の幸を使ってもか」
「美味しいものを作ってご覧にいれます」
「それではな」
 ゼウスはアテナの言葉に頷いた、そしてだった。
 アテナの海の幸を使った料理を楽しみに待つことにした、彼はその間ヘラに対して笑いながら話した。
「美味いものを楽しめる」
「だからですか」
「わしは今心がうきうきとしている」
「それはいいのですが」
 ヘラはその牡牛の様な大きな目を夫に向けて言った。
「あなたも兄上も」
「大人気ないか」
「そうです、兄上は海の幸にこだわりを見せられて」
 そうしてというのだ。
「あなたはそんな兄上とアテナのいざかいを見てです」
「そこから美味いものを食べられるとだな」
「喜んでいるのですから、止められないのですね」
「これが戦なら止める」
 ゼウスは笑って答えた。
「流石にな」
「そうされますね」
「しかしだ、別に料理のことならな」
「構わないのですね」
「そうだ」 
 まさにというのだ。
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