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蛇人とリザートマン
第一章

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                蛇人とリザートマン
 紫綾乃はこの時何気なく言った。
「蜥蜴の足がないのが蛇やね」
「はい」
 リー=シュンスイは首相の座から答えた、二人は都の御所で政務を執っているが綾乃はその休憩時間にふとこう言ってリーも応えたのだ。
「この世界でも」
「そやね、ほな」
 綾乃はリーに応えつつさらに言った。
「リザードマンと蛇人ってどうちゃうん?」
「そのことですか」
「蜥蜴の足がなくなったのが蛇なら」
 それならというのだ。
「蜥蜴と蛇って近いやん」
「事実近い種類ですね」
「爬虫類の中で」
「その通りです」
「ほなリザードマンと蛇人も近いんちゃう?」
「そうですね」 
 リーもそれはと答えた。
「言われてみますと」
「それでどうちゃうんやろ」
 綾乃はリーにさらに問うた。
「一体」
「そうですね、それではです」
 リーは綾乃の言葉を受けて暫し考えてから彼女に答えた。
「本人達に聞いてはどうでしょうか」
「リザードマンと蛇人に」
「はい、そうされては」
「そやね、ほな来てもらおうか」 
 綾乃はリーの言葉に頷いてだった。
 仕事が終わると御所に双方の星の者を呼んだ、リザードマンからはアンドレ=カマンダと遠藤涼平が蛇人からはアユ=ウィルハルジャと宮沢雄作が来た。
 綾乃は四人を自分の夕食の場に呼んだ、そうして大盃を手にしてその中に並々とある酒をごくごくと飲みつつ話した。
「来てもらったのはちょっと聞きたいねん」
「お話は聞いてます」
 カマンダは綾乃に応えた、五人の前には卓があり綾乃を主の座に置いて敷きものの上に座っている。白いご飯に蛸の刺身にうなぎのかば焼き、山菜の天麩羅に漬けものそれに茸の味噌汁がありデザートは団子である。
「リザードマンと蛇人の違いですね」
「そやねん、どうちゃうかってふと思って」
 綾乃はカマンダに答えた。
「お酒を飲みながらお話してな」
「私達の考えを聞きたいのですね」
「そやねん、ほな頼むで」
「わかりました、ではご馳走を頂きつつ」
「お話しよな」
「それでは」
 こう話してだった。
 綾乃を含めて五人で話をはじめた、最初に彼女の話を聞いたリーは今は中里達と共に食べていてこの場にはいない。
 五人は清酒を飲み蛸や山菜を食べながら話をはじめた、カマンダはあらためて言った。
「蜥蜴が人に進化したのがリザードマンでしたね」
「そうだよな」
 遠藤は隣にいるカマンダの言葉に応えた。
「自分はそう聞いているんだよ」
「はい、そして蛇人はです」
「蛇が人になったもんです」
 アユが応えた。
「そうです」
「そだな」
 宮沢はアユのその言葉に頷いた、そうしつつ飲んでいる。
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