第一章
[2]次話
善良な猫なぞいない
白田沙都美は赤髪を短くセットしていてはっきりした明るい顔立ちをしている。やや吊り目になっているがそれがトレードマークだ。顎は尖っている。
背は一六二位ですらりとしている、職業は美容師でヘアサロン勤務だ。
そしてインスタグラマーであり家で飼っている愛猫のマロン白い五歳の雌猫である彼女をよく撮って自身のSNSにあげているが。
沙都美は友人の渡辺文音同じ店で働いていて同じ年齢の彼女が自分の部屋に来た時に眉を顰めさせて言った。文音は一五〇位の背できりっとした真面目そうな顔で黒髪をロングにしている細長く顎の先が尖った顔で胸が目立っている。
「マロンが言うことを聞いたことなんて」
「ないの」
「一度もね」
今はソファーの上で丸くなっている彼女を見て言った。
「ないのよ」
「そうなのね」
「もう我儘で」
それでというのだ。
「インスタ用の画像撮っても」
「よくあげてるわね、マロンちゃんの画像」
「そうしてるけれど」
一緒に赤ワインを飲みつつ言う、つまみはチーズとサラミだ。
「思い通りのポーズなんてね」
「なったことないの」
「これまた一度もね」
それこそというのだ。
「ないのよ」
「そうなのね」
「それでいつもご飯よこせお水よこせで」
そうしたことの話もした。
「遊べとか催促してブラシを見て鳴いてね」
「ブラッシングしろってなの」
「催促してきておトイレをしたら」
その時もというのだ。
「やっぱりよ」
「鳴いて催促してくるのね」
「奇麗にしろってね、それでしないと」
「どうしてくるの?」
「噛んだり引っ?いたりしてくるのよ」
「暴力に訴えるのね」
「そうよ」
実際にというのだ。
「これがね」
「人間だと完全にDVね」
「そうよね」
沙都美もそれはと答えた。
「本当に」
「つまりあんたはあれね」
文音は冷静な声で述べた。
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