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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第71話 幽霊船
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新技を考えていたんだ。


「これが俺の新しい技……『水龍脈』だ!!」


 突きを放つ瞬間、つま先から手首に至る全身の関節を回旋させてねじり込むように大岩の切れ込み目掛けて突きを入れた。


 すると大岩のヒビが広がっていき、最後には木っ端みじんに砕けた。


「凄い凄い!弟弟子君、今のって八葉一刀流の技なの!?」
「いえ、螺旋撃を参考にしましたけどあれは俺が好んで使う時雨を改良した技である『水龍脈』ですよ。強烈な回転の力を突きに入れて威力を向上させたんです」
「へぇぇ……!自分で技を作っちゃうなんて凄いね!」
「あはは、恐縮です」


 姉弟子はぴょんぴょんと目を輝かせて褒めてくれる。凄く恥ずかしいな……


「でも大したもんやな。流石はあの猟兵王の息子なだけあるわ」
「やっぱり知っていたんですか?」
「そりゃ荒事に関わっとる人間なら知らんほうがおかしいやろ」


 ケビンさんは俺の正体を知っていたらしい。まあ俺も彼が唯の巡回神父じゃないのは分かってるし裏事を担当してるなら知らない方がおかしいか。


「まあ別に七曜教会は猟兵と敵対しとるわけじゃないからそんなに警戒せんでもええで。俺の目的は古代遺物やからな」
「えっと、気を遣わせてしまいましたか?」
「別に気にしとらんよ。カンのいい人には怪しまれる事もあるからな」


 どうやら彼は俺が警戒してることを感づいていたみたいだ。やはり只者じゃないな。


 ただ彼の言う通り俺達も七曜教会と争っている訳じゃない。あまり警戒しすぎるのも良くないな。


「まっそんなことはいいんや。今はココから脱出することが先決やからな」
「そうですね、ならここから先も協力していきましょう」
「おう、頼りにしとるで」


 彼の言う通りまずはココから脱出するのが先決だ。その為にも彼の力は必要だし個人を警戒してる場合じゃないな。


 そう思い俺はケビンさんと握手を交わした。相談にも乗ってくれたし猟兵っていう立場じゃなきゃ個人的には好きなタイプだ。


 それから俺達は遺跡を進んでいくと通路から洞窟のような場所に出た。本当になんでもありだな。


「さっきまで綺麗に作られていた遺跡から手入れがされていない洞窟になったね。通路もボロボロの木の板になってるし危なっかしいよ」
「せやな、いきなり足元が崩れて真っ逆さまなんてならんように気を張っておかんとな」


 俺達が歩いている通路は今にも崩れそうなくらいボロボロの木の板で出来ていた。ケビンさんの言う通り足元には注意しておかないとな。


「キシャアッ!!」


 すると通路の前と後ろからまた骸骨のような魔獣が襲い掛かってきた。


「挟み撃ちされた!」
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