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星河の覇皇
第八十一部第四章 一日のうちにその四十六

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「厄介なだけだ」
「その通りですね」
「欲がないかというと」
「そうでもないが」
 ギルフォードにしてもというのだ。
「芸術品や車が好きだな」
「その様ですね」
「そうしたものでの不祥事をだ」
「探すこともですか」
「いいが」 
 それでもというのだ。
「おそらくな」
「そこもですね」
「資産家だ、代々の資産がある」
「イギリスの名門侯爵家の当主で」
「かなりの資産がある、その中でだ」
 その資産を使ってというのだ。
「芸術品や車もだ」
「購入しているので」
「だからだ」
 それでというのだ。
「そこから攻めることもだ」
「出来ないことですね」
「残念だがな、ヒトラーは攻撃しにくい政治家だったが」
 またこの独裁者の名前を出した。
「それは何故か」
「スキャンダルとは無縁だったからでしたね」
「ヒトラーは私人としては無欲だった」
 それも至ってだ。
「金銭に興味はなく」
「女性にも清潔で」
「物欲等もな」
 そうしたものもというのだ。
「なかった、だからだ」
「それで、ですね」
「スキャンダルで攻撃しようにもな」
「出来なかったですね」
「彼は終生私生活は真面目だった」
 小心なまでにと言われる場合さえあった。
「だからだ」
「攻めにくかったが」
「そのヒトラーにもですね」
「ギルフォードは通じる」
「ブラウベルグにも似ていますね」
 アッチャラーンはまた彼の名を出した。
「あの御仁もです」
「無欲だったな」
「はい、スポーツと学問を愛し」
「そちらが趣味でな」
 それでというのだ。
「金銭や異性にはな」
「やはり興味がなく」
「何かとだ」
「スキャンダルはですね」
「攻めにくくな」
「当時の連合各国も攻められず」
「捏造までしたが」
 スキャンダルのそれをだ。
「しかしだ」
「捏造は捏造で」
「明らかになる」
「そうしたものですね」
「それがどういったものでもな」
「それで失敗していましたね」
「どの国もな」
 当時の連合各国はブラウベルグを失脚させようと躍起になっていた、彼等にとって最大の敵であったからだ。
「当時創設されたばかりの中央政府もな」
「そうでしたね」
「何とかブラウベルグを排除しようとしたが」
「それもあらゆる手段で」
「しかし出来なかった」
 これは中央政府及び各国政府のまとまりに欠けた各自の行動とブラウベルグの卓越した危機回避能力による、連合はそれぞれの勢力が個々にブラウベルグを排除しようとしたが力がまとまっておらずブラウベルグを倒すまでには至っていなかったのだ。
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