暁 〜小説投稿サイト〜
冥王来訪
第二部 1978年
ソ連の長い手
崩れ落ちる赤色宮殿  その3
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16小銃から20連発の弾倉を外して捨てた。
「面白い。茶番に付き合ってやろう」
左腰より銃剣を抜き出すと着剣する。そして刃の先を、老人に向けた。

 薄ら笑いを浮かべる老人は、サーベルを持ちながら段々とにじり寄って来る。
マサキの繰り出した銃剣の一撃を難なく交わすと、彼の動く方に刃先を向ける。
「あっ……」
マサキの顔に、不安と躊躇いの色が浮かんだ。
もう一度、銃剣を繰り出すも、サーベルを払い落とすどころか、寸での所で弾き返されてしまう。
火花が散り、カチンと鈍い金属の音が不気味に響き渡る。

「何を怯えている。さあかかってこい、木原よ」
老人は、左手で煽る様にマサキの事を手招きする。
 マサキは再び小銃を構えるが、負けを悟った……。
このままでは勝てない……。
 だが薬室には、挿入した5.56x45ミリ NATO弾が一発は入っている。
至近距離なら外しはしまい……。
 戦いとは情け無用なのだ。KGB長官のお遊びも終わりにしよう……。
僅かばかりの勇気を振り絞って、男の胸目掛けて銃剣を着き出す。
老人は身をかわすと、左手で銃身を握りしめ、サーベルで彼の肩から切りつけた。
刀は背中から着けていた×字型の背負紐(サスペンダー)の留め具に当たり、火花を散らす。
 力いっぱい小銃を振り回して、老人の手から離す。
マサキは、胸元に銃口を突き付けると躊躇いなく小銃の引き金を引いた。
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