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おっちょこちょいのかよちゃん
223 囚われた場所には
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 レーニンは中央の屋敷へと向かう。そんな時、通信が来た。
「レーニンだ」
『こちらトロツキー。雷の山奪還失敗です』
「そうか、了解した。戦力も削がれてしまったからな」
 そしてレーニンの中にあるもう一人の少年の心・杉山さとしは考える。
(そうか、皆は次々と作戦を進めているのか・・・)

 かよ子達は藤木の行方を追う為に先へ急ぐ。これまでシャルル・リゴーにラ・ヴォワザン、スターリン、ムラト1世と次々と敵が自分の杖を襲撃してきており、その1日だけでも攻めてくる敵が多かった。
「はあ、こんなにお腹空くなんて・・・」
「もうすぐ飯時だ。子供のお前にとってもこの連戦はかなり酷だったからな」
「うん・・・」
 その時、イマヌエルの声が聞こえる。
『皆の者、昼食時となりました。只今昼食を供給します』
「おお〜、やっと食べられるう〜」
「儂も腹ペコじゃ〜!」
 まる子と友蔵は歓喜した。皆の前にはスパゲッティと生野菜のサラダが送られた。
「おお、美味いのお〜!」
「ああ、おかわり欲し〜い」
 その一方、かよ子もまた空腹には耐えられず、がっついた。
「ふう、食べたら少し元気出たかな・・・?」
「それにしてもこのすぱげってぃとやらも美味いものだ」
 次郎長や石松もスパゲッティの旨さに感心していた。
「よし、午後も頑張るよ・・・!」
 かよ子は意気込んだ。

 とある少年は二人の遊女と部屋の中で寛いでいた。
「茂様と一緒にいると楽しいわね〜」
「ええ、私も茂様といると落ち着きます」
「うん、僕も君達と一緒で楽しいよ」
 少年はデレデレしながら言った。
「あ〜あ、私が茂様のお嫁になりたかったなあ〜」
「私も・・・です」
 そんな時、部屋の扉が叩かれた。
「坊や、帰ったぞ」
「だ、妲己さん・・・」
「いい土産を持って来たぞ」
「土産?」
「ああ、坊やの嫁だ」
「・・・!」
「一緒に行ってみるかね?だが、まだその少女は眠っているがな」
「う、うん・・・」
 少年はなぜか緊張するのであった。

 りえは目を覚ました。コートは脱がされており、自身はいつの間にか寝台に横になっていた。
(ここは、どこなのっ・・・?何で私、こんな所で寝てるのっ・・・?)
 りえは記憶を辿る。確か戦争主義の世界の人間が狐となって襲撃し、その時、同じくその仲間が訪れ、更にはその仲間は杉山の姿になって・・・。あまりにも話がややこしい状態だった為、りえは状況が整理できなかった。
(そうだっ、杯はっ・・・!?)
 りえはハンガーのような物干しに自分のコートが掛けられていた。急いでコートのポケットを確認する。しかし、杯は入っていなかった。
(杯を盗られたっ・・・!!)
 その上、助けを求めようにも通信機さえも没収されていた。りえ
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