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星河の覇皇
第八十一部第四章 一日のうちにその十二

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「また企業でもです」
「普通に能力があれば出世します」
「官公庁でも同じです」
「宗教等各団体でも」
「平民出身者でも普通に指導者になっています」
「実力があれば」
「そうなっている、エウロパは両輪で動いている」
 准将はこうした表現も用いたのだった。
「貴族と平民でな」
「そのどちらがなくともです」
「エウロパは動きません」
「貴族は数が少ないですし」
「エウロパ全体で七パーセント程です」
「多くは平民です」
「そうした割合なので」
「我々全員で何か出来るなぞな」
 それこそというのだ。
「不可能だ」
「よく貴族主義と言われてです」
「特権を振りかざし何でもしていると言われますが」
「それは、ですね」
「違いますね」
「そうだ、その筈がだ」
 それこそというのだ。
「ある筈がない」
「全くですね」
「連合なぞはそれがわかっていません」
「わかろうとしないのかも知れませんが」
「エウロパは平民も重要です」
「彼等も国民ですから」
「我々は搾取もしていない」 
 准将はこのことも指摘した。
「領主、爵位を持つ者の収入はだ」
「全て税金です」
「それぞれの領地の議会が決めた」
「全ては議会が決めてです」
「政府が管理しています」
 それぞれの星系の政府の中の宮内省の様な組織がそうしているのだ、そうして生活も管理されているのだ。
「搾取なぞとても」
「出来る筈がないです」
「しかも騎士ならば領地もありません」
「平民達と変わらない暮らしです」
「仕事も探していますし」
「住んでいる場所も質素だったりします」
「豪勢な暮らしなぞだ」
 よく貴族のイメージとして持たれているそれはというのだ。
「出来る筈がない」
「全くです」
「毎日舞踏会に宴なぞ」
「そんなことはありません」
「生活は全て議会と政府のものです」
「立憲体制の下にあります」
 中央集権国家である、だがエウロパも地方政治はあり領主である貴族達もその中において生きているのだ。
 それでだ、彼等もここで言うのだ。
「とてもです」
「それで贅沢なぞです」
「出来ません」
「サハラの独裁者でもあるまいし」
「領主はその領地の為に尽くし」
「エウロパの為に奉職するものです」
「ひいては平民の為にな。我々は護民官だ」
 それになるというのだ。
「エウロパ貴族はな」
「はい、高貴なる者なら」
「それは義務ですね」
「ひいてはエウロパを護ることも」
「そのことも」
「そして平民達もいるのだ」
 今話している彼等もというのだ。
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