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星河の覇皇
第八十一部第四章 一日のうちにその十一

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「艦内での居住もな」
「実に快適です」
「食事も余暇も」
「トレーニングルームも使用させてくれますし」
「入浴まで快適です」
「兵士達も満足している」
 准将は彼等の話もした、今回の観戦に従事しているのは実際に観戦を行う士官達だけではないのだ。彼等の世話をする部下である下士官や兵士達もいるのだ。
 そしてだ、その彼等もというのだ。
「快適だとな」
「それはいいことですね」
「兵士達まで満足しているとなると」
「今回のことについて」
「非常に」
「兵士が快適であるならな」
 准将は彼等のことも話した。
「それでいい」
「全くです」
「兵士を粗末に扱う軍隊はそれだけで問題です」
「戦場で主に戦うのは彼等ですから」
「その彼等を粗末にしては」
「大きなマイナスです」
「エウロパという国自体がだ」
 准将は国から話した。
「貴族がいるがな」
「はい、支配階級として」
「爵位を持つ者や騎士等がいます」
「そしてその下に平民です」
「彼等となりますが」
「平民も選挙権がありだ」
 庶民院、下院がそれになる。尚各星系の議会等地方議会では一院制だがそこの殆どは平民出身者の議員であり選挙民も平民達が殆どだ。
「そして本人の努力次第でだ」
「地位と権力も得られます」
「また貴族に叙任もされます」
「当然人権も保障されています」
「彼等も人間です」
「そうだ、平民と貴族は人間だ」
 これがエウロパの考えであるのだ。
「確かに階級は存在しているがな」
「そして階級間の結婚はほぼないですが」
「それでもですね」
「貴族も平民も人間であり」
「平民も政治に参加してです」
「中央政府総統になった例も多いです」
「そうだ、士官にも多い」
 今この場にいる士官は貴族階級の者ばかりだ、だがそれでもなのだ。
「士官学校入学に階級は関係ない」
「試験に合格するかどうかです」
「確かに貴族は下士官や兵士にはなれないです」
 このことは法律で定められている、また貴族は企業や公共でも管理職であるのが絶対だ。これは階級からのことだ。
 だがそれでもなのだ、エウロパという国は。
「ですが平民も試験や資格から指導的な地位に就けます」
「士官にもなれますし」
「管理職にもなれます」
「むしろ二十世紀後半から二十一世紀のフランスの様にな」
 准将はその時代のこの国を例えに出した。
「高等法院出身者ばかりが特権化する」
「そうしたことはないです」
「兵士からも士官になれますし」
「それも普通にあります」
「流石に兵士から将官はそうないですが」
「佐官でしたら普通です」
 連合では実に顕著だがエウロパにもこうした事例は多い。
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