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似合わないけれど
第一章

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               似合わないけれど
 八等身の見事なスタイルの一八〇近い長身にきりっとした凛々しい顔立ち、黒く短いセットした髪を持つ小池田夜見は大学で助手を務めている、男性からよりも女性から人気がある。
 白衣とズボンそれにネクタイが似合っている、よく断層の麗人と呼ばれているが。
 その彼にだ、彼女の所属する医学部の教授である佐藤冬雄眼鏡をかけた白髪で面長で小柄な彼に言われた。
「今度うちでパーティーを開くけれど」
「私もですか」
「どうかな」
「お招き頂いたなら」
 それならとだ、夜見は応えた。
「お願いします」
「それではね、それでパーティーだから」
「ドレスですね」
「それを着てね」
 そのうえでというのだ。
「参加してもらうけれど」
「はい、ドレスは持っています」
 夜見は佐藤に微笑んで答えた。
「ですから」
「そのことはだね」
「安心して下さい」
 こう彼に言うのだった。
「私は確かにいつもズボンですが」
「それでもだね」
「そういった服もです」
「持っているんだね」
「ですから」
 こう言ってだった。
 夜見はそのパーティーに参加したが赤い見事なドレスとハイヒールで普段と違う姿の彼女を見てだった。
「あっ、これは」
「かなりいいかも」
「普段と違うけれど」
「背は高いしスタイルもいいから」
「まるでモデルじゃないか」
「ハリウッド女優みたいよ」
 パーティーに参加している誰もが夜見を見て思わず感嘆した。
「やっぱりスタイルがいいと」
「どんな服も似合うな」
「普段のスーツと白衣もいいけれど」
「ズボンだけじゃない」
「ドレスも似合うのね」
「いやあ、見事だよ」
 主催者の佐藤も夜見に笑顔で言ってきた。
「似合っているよ」
「有り難うございます」 
 夜見は佐藤に微笑んで応えた。
「そう言ってくれると何よりです」
「君はスカートもいけるね」
「ドレスもですか」
「うん、そしてね」
 佐藤はさらに言った。
「ヒールもね」
「靴の方もですか」
「似合ってるよ、やはりスタイルがいいと」
「何でも似合いますか」
「そう思うよ」
 夜見に笑顔で話した、夜見はこの時はただにこにことしていた。
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