暁 〜小説投稿サイト〜
星河の覇皇
第八十一部第四章 一日のうちにその七
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「大きい」
「戦争を決しますね」
「それ自体を」
「若し敵の全戦線を突破し」
「そしてですね」
「ティムール軍を殲滅すれば」
「戦争自体の勝敗がつく」
 今の会戦だけでなくというのだ。
「そうなる」
「そうですね、では」
「我々はこれからはですね」
「会戦だけでなく」
「戦争全体を見ますか」
「この場から」
「そうなるな、しかしここで全戦線で一気に攻勢に出るとは」 
 准将は腕を組み唸って言った。
「アッディーン大統領、恐ろしい人物だな」
「以前より見事な軍略でしたが」
「名将と呼ばれるに相応しい」
「そうした方でしたが」
「この度もですね」
「鉄は熱いうちに打つものだ」
 この時代でも言われていることだ、熱して赤くなり柔らかくなった時でないと鉄は加工出来ないものであるからこう言われている。
「そして今はな」
「オムダーマンとしてはですね」
「攻勢の時と言うことですね」
「ティムール軍に勝利をこの会戦で収めた」
「今こそ」
「そうだ、今日のな」
 この日のというのだ。
「この時こそな」
「総攻撃に出てですね」
「そしてですね」
「ティムールの全戦線に攻勢を仕掛け」
「国境線を突破する」
「その時ですか」
「そういうことだな、しかし」
 准将はここで考える顔になりこうも言った。
「対するティムール軍は辛いな」
「左様ですね」
「この会戦での敗北はまだ取り返しがつきますが」
「ここで全戦線を突破されますと」
「その際軍勢を失いますと」
「辛いですね」
「只でさえ劣勢の戦力をこれ以上失うと」
「どうにも」
「そうだな、しかしシャイターン主席なら」
 エウロパから見ても名将であるアッディーンとサハラにおいて唯一互角に戦える人物である彼ならというのだ。
「この状況にもな」
「会戦で敗れたとはいえ」
「対することが出来ますね」
「アッディーン大統領に対して」
「それが可能ですね」
「数では劣勢だが」
 シャイターン率いるティムール軍はというのだ。
「しかしだ」
「守りに徹すれば」
「ティムール軍の防衛陣地は堅固です」
「機雷やコロニーレーザーで固めています」
「ミサイルやビームの自動砲座も多く」
「バリアーも巧みに配置しています」
「アステロイドや磁気嵐のことも考慮しています」
 そうした宙形のこともというのだ、ここで准将はまた言った。
「サハラは非常に複雑な宙形だ」
「はい、まるで迷路の様な」
「南方が有名ですがどの地域もそうです」
「そしてオムダーマンとティムールの国境も」
「その宙形はかなり複雑です」
「ティムール軍の方はとりわけ」
「只でさえアステロイドや磁気嵐が複雑に入り組んでいます」
 特にアステロイドがだ、それはまさに
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ