暁 〜小説投稿サイト〜
星河の覇皇
第八十一部第四章 一日のうちにその一

[8]前話 [2]次話
               一日のうちに
 アッディーンは国境での会戦に鮮やかな勝利を収めた、だが彼は軍の将兵達に勝利を祝うことはさせなかった。
 アリーの艦橋の司令の席からだ、彼は言った。
「ではこれよりだ」
「前進ですか」
「さらに」
「そうしますか」
「そうだ、それもだ」
 幕僚達に言うのだった。
「全軍だ」
「今この場にいる軍だけでなく」
「全軍ですか」
「全戦線においてですか」
「前進を開始しますか」
「そうだ、そしてだ」
 前進、それを行ってというのだ。
「敵の防衛ラインを突破してだ」
「ティムール領に侵攻しますか」
「敵の国境線を突破し」
「そしてそのうえで」
「さらに進むのですね」
「その通りだ、目指すはだ」
 アッディーンはさらに言った。
「ティムールの首都サマルカンドだ」
「あそこまでですか」
「一気に進みそしてですか」
「サマルカンドを陥落させてそのうえで」
「戦争自体も終わらせますか」
「その時が来た」
 今まさにというのだ。
「今の勝利でな、だがこの勝利はだ」
「ただの一勝ですね」
「それに過ぎないですね」
「ですがそれでもですね」
「戦争の勝利につながる勝利ですね」
「さらに」
「その通りだ、ただの一勝でありだ」
 そしてとだ、アッディーンは幕僚達にさらに言った。
「戦争自体の趨勢も掴む」
「そうしたですね」
「大きな勝利でもありますね」
「だからこそですね」
「この勝利を機に」
「全戦線で攻勢に出ますか」
「今はシャイターン主席は戦場におらず」
 アッディーンは確信を以て言い切った。
「そして戦線にもだ」
「おられない」
「それならですね」
「今が好機ですね」
「絶好の」
「しかも潜水艦の情報はまだわかっていない」
 ティムール軍にはというのだ。
「少なくとも今日はな」
「ならですね」
「今潜水艦を全戦線で使えば」
「ティムール軍も対処出来ず」
「こちらの攻撃が通用しますね」
「そうだ、まさに今だ」
 今日、この日だというのだ。
「仕掛けるべき時だ」
「ではこれより」
「全軍の軍司令に連絡し」
「そしてですね」
「一斉に攻勢に出るのですね」
「全戦線でだ、そして戦線を突破し」
 そのうえでというのだ。
「敵の防衛ラインを崩しそしてだ」
「そこからですね」
「サマルカンドに向かうのですね」
「全軍で」
「そうするのですね」
「電撃戦だ」
 アッディーンは第二次世界大戦のドイツ軍の戦術の話も出した。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ