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少女は 見えない糸だけをたよりに
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 水曜日、夕方も奈々ちゃんが代わってくれるからって、私は、ご飯を作りに巧のマンションに行ってみた。なんだか、汗臭いのか、やっぱり男の人の臭い。すぐに、窓を全開にして、冷蔵庫のチェック。お布団は、真面目に隅のほうに折りたたまれていた。炊飯器にご飯が残っていたので、焼き飯にして、野菜サラダと麻婆豆腐を作って、冷蔵庫にしまって、扉にメモを書き残した。温めて、お召し上がれ? と。それから、トイレとお風呂を掃除して、7時まで待ったけど、やっぱり帰ってこないので、仕方なく私は、マンションを後にした。

 日曜日になって、私は、朝から巧のマンションに向かった。巧は起きたとこみたいで、ちょうど、朝のコーヒーを飲んでいたみたいで、ぼーっと窓の外を眺めていた。

「おはようー 朝ご飯 まだみたいだね」

「あぁ ゆっくりとな」

「あっ ベッド買ったんだ」ベッドの横に学習机が奥のほうに並んで置かれ、手前のほうに簡単なテーブルと椅子があって

「ずいぶんと配置換えね」

「そーだな やっぱり、ベッドがいいよ すぐ 寝ころべるし・・」

「そうだね 低いと なんか 虫が来るようでね 私 島で慣れているはずなんだけどなー」

「香波 この前 ご飯 ありがとう うまかったよ」

「そう よかったー 今日も なんか つくるね」

「だけど 狭いからたいへんだろー?」

「そうね なんとかするよー ご希望は?」

「そーだな でっかいエビクリームコロッケ」

「ふーん じゃぁ ハンバーグね」

「なんだよ それっ」

「だってさー 揚げ物なんか ここで 出来ると思う? ハンバーグに海老も入れてあげるから我慢して」

「そっかー それもうまそうだなー じゃー それ」

「うん あとで お買い物ね」

 巧は、私を抱きしめてきて、唇を合わせて、ベッドに押し倒してきた。そして・・巧の手がスカートの中に・・

「ぁー まってー 私 今 アレの日なの できない ごめんなさい」

「うー そっかー」と、もう一度、唇を合わせて、離れてくれた。

 その後、買い物に出かけて、私は、海老入りのハンバーグを作って、昼食兼夕食を済ませて、帰ってきた。夕方、お父さんと散歩するつもりだったから。

 家に戻ると、直ぐに、お父さんを誘って、疎水べりを歩いた。

「香波 もっと 彼と一緒に居たかったんじゃぁないのか ワシに付き合ってくれて、すまんのー」

「いいの お父さん 私 こうやって、歩くの楽しいから」私は、やっぱり、腕を組んでいた。

「香波 いずれ、彼氏の元に行くんじゃろー その前に、正式にワシの娘になってくれんかのー もちろん、聡にも燿にも話してある 賛成してくれた」

「えーぇー 今 娘のつもりなんです
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