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星河の覇皇
第八十一部第三章 無関心でいられる訳その三十

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「やはりです」
「自警団より警察ですね」
「公権力が治安を担うべきですね」
「これは消防署も然りですね」
「そちらも」
「そうです、法律のコントロールが利く」
 このことはというのだ。
「何よりも強いことです」
「軍隊も然りですね」
「治安行為等を行うには力が必要です」
「それに応じた力が」
「そして力をコントロールする為にですね」
「法律が必要ですね」
「若し法律が利かないなら」
 そうした力はというと。
「暴力です」
「まさにマフィアの力ですね」
「暴力となると」
「そうなりますね」
「ですから」
 それでというのだ。
「治安は警察でなければなりません」
「公権力でなければ」
「法律に基く組織でないと」
「絶対にです」
 まただ、金は強く言った。
「よくありません」
「自警団は真の治安組織ではない」
「それは危険ですね」
「やがてマフィア化する危険を考えると」
「まずは警察ですね」
「政府の力を維持し」
 即ち公権力をというのだ。
「そしてその力を法で制御する」
「そうでなくてはなりませんね」
「治安についても」
「連合の辺境外縁部の治安は悪かったですが」
「公権力がなかったからですね」
「各コミュニティの法律があり」
 そしてというのだ。
「一応政府もあり」
「法律もですね」
「それぞれの政府の下でありましたね」
「コミュニティによってですが」
「そうした状況でしたね」
「はい、ですが先程申し上げた通りに」
 金は甘い紅茶を再び飲んでから話した。
「やはりです」
「治安は公権力が司るべきですね」
「何があろうとも」
「それが最善であり唯一の正しい手段ですね」
「市民の身を護るには」
「若し無政府状態なら」
 言うまでもなく無政府主義者が最も望む形である。
「法律も何もなく」
「治安もないですね」
「そうなってしまっては」
「まさに万民の万民に対する闘争」
「そうした状況ですね」
「世紀末となります」
 金はこの時代にも定着している言葉を出した。
「まさに」
「左様ですね」
「核戦争か大震災の後の世界ですね」
「漫画の古典でよくある」
「そうした有様になりますね」
「暴力のみが支配する」
 ならず者が跳梁跋扈し弱い者が虐げられるというのだ。
「そうした世界になります」
「法律もそれを守らせる力もなく」
「それで、ですね」
「治安なぞなくなり」
「無法地帯となり」
「そうした有様になりますね」
「それが無政府主義者の言う理想社会です」
 権力も法律もない完全な自由な社会だというのだ。
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