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少女は 見えない糸だけをたよりに
12-7

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 3月も終わりになって、巧が

「ようやく 配置先が決まったよ 最初は本庁勤務だ」

「よかった じゃあ 近くに居られるのね」

「あぁ これから探すけど まだ 空いているとこあるかなー」

「しょうがないよ 私も探すね」

「うん 古くても仕方ないかなー」

「お風呂 ついているとこにしてね」

「そんなの わかんないよー なんでよー」

「だってさー ・・・ したあと・・」

「ふーん そーいうの はっきり言うようになったな 香波 風呂入んなきゃー だめかー?」

「どうしてもって わけじゃぁないけど」

「あんまり ボロじゃぁー あの時の声聞かれちゃうしなー」

「やだー 巧 私・・・そんな」

 お休みの日曜日、二人で不動産屋さんを歩いて、何軒かを紹介してもらい、幸い急に転勤で出て行った人がいるからと、出町柳からに歩いて15分程のところに決めた。4階建ての小さなマンションの2階だった。私の希望した通りのバストイレ付きのワンルームだけど洗濯機は置けるスペースもなかった。コンロもIHの1口のがあるだけで炊事場も狭かった。

「巧 狭くない? ベッド置いたら、炬燵も置けないよ」

「いいんだ 贅沢言えないよ ベッドも置かない 机は居るからね」

「ふーん じゃぁ お布団 起きたらたたむんだ」

「あぁ 敷きっぱなしになるかもな」

「嫌 そんなの ちゃんとしてー  お部屋の中 清潔にしておいてよー」

「あーあ 嫁さんみたいだなー」

「そーだよ もう 巧のお嫁さんなんだからー 私 お掃除に来るけどね ご飯も いいでしょ」

「べつに 良いけど あんまり、入り浸ったら お父さんが怒るぞー」

「いいの ちゃんと 許しもらうから だって 巧 言ってくれたじゃぁない 結婚するつもりだって だから、身の回りのお世話するの 当たり前でしょ!」

「うーん まぁ 無理すんなよ ちゃんと、清潔にするから」

 と、私を抱きしめてくれて、キスを・・・舌を受け入れて、私も巧に出して絡めていった。

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