暁 〜小説投稿サイト〜
少女は 見えない糸だけをたよりに
11-10

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 巧が沖縄から帰ってきた時、私は、泳ぎに行こうよと誘っていた。レンタカーも借りてよーと、おねだりしていた。8月も末なんだけど、まだまだ暑い日が続いていた。

 お店のお休みの水曜日、岡崎公園で待っていると巧が青い車で来てくれて、琵琶湖に行く予定だった。私は、くるみちゃんから聞かされていたので、彼と泳ぎに行ったこと・・そして、帰りに、琵琶湖大橋の袂のラブホテルに入ってきたことを・・だから・・。

 最初、私達は手をつないだりして、重なったりして泳いだり、砂で遊んだりしていた。私は、おにぎりと醤油漬けの焼肉のお弁当を用意してきていた。

「ウン いつも 香波のおにぎりはおいしいよ 中の梅干しも塩辛くってうまいんだ 紀州のものなのかー?」

「残念ながら 若狭のものだって でも、お母さんが毎年自分で漬けているんだって 去年も今年も、私が手伝ったんだよ 売っているのは、甘いからお父さんがダメなんだって」

「そうかー だから おいしい訳だ 僕も、売っているはちみつ入りなんて、気持ち悪くって食べられないんだ」

「よかったー 私も、お漬物なんてものもね 甘ったるいのダメなの 田舎もんだからね」

「まぁー そ〜いうわけでもないだろうけど 僕も地元の梅干しは塩辛いので育ってきたから」

 そして、食べた後は、私が持ってきたビーチマットで二人でプカプカ浮かんで泳いでいた。

「ねぇー 泳いでいるって 割と つまんないもんだね 巧と一緒だから、まだ、いいけどね」

「そうだなー 割と 飽きてくるね」

「ねぇ もう、行こうかー あのねー 私 つもりしてきたの 巧に抱かれたい」

「香波・・ じゃあ 帰ろうかー」

 私達は、着替えて帰る身支度をして・・そして、巧は琵琶湖大橋を渡らないで、そのふもとにあるラブホテルを目指してくれた。

 戸惑いながら、ふたりで部屋に入って、私はびっくりした、部屋の中は段差があって、部屋ン中に大きな樹があって南国に来たみたいだった。

 わたし、2度目で、まだ少し痛いと感じたんだけど、それよりも、巧とつながっていることの歓びのほうが嬉しかった。そして、巧のを感じているとき

「巧 私のこと 忘れないでよー」

「なに言ってんだよ 香波をずーと離さないし、愛し続けるよ」

 私 巧に思いっきり 両手も両足もしがみついていた。すごくうれしかったんだったんだものー。私は、もう、この人のものになったんだと・・

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