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ドリトル先生のダイヤモンド婚式 
第一幕その四

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「僕だってね、全く以て残念だよ」
「僕達だって残念だよ」
「先生がわかってくれなくて」
「先生みたいな人を放っておく人いないって」
「そうね」
「そうだよ、お見合いもしないしね」
 王子はこのことお話しました。
「先生は」
「お会いして断われるからだよ」
 先生はこう思っているのです。
「それでだよ」
「やっぱりそう言うんだ」
「僕と会ってね」
 お見合いの相手の人がというのです。
「どう思うかな、この外見で」
「人を外見だけで判断する人なんてね」
「駄目だって言うんだね」
「そうだよ、そんな人はね」
 それこそというのです。
「最初から論外だから」
「そうなんだ」
「そう、だからね」 
 それでというのです。
「そうした人じゃなくて本当にわかっている人は」
「違うんだね」
「ちゃんと先生自身を見てね」
 そうしてというのです。
「わかってくれてね」
「僕を好きになってくれるんだ」
「お友達としてなく恋人としてね」
「僕は女性のお友達にも恵まれているね」
 先生もこのことは感じています。
「有り難いことに」
「そうだよね、それでね」
「恋人としてもなんだ」
「好意を持ってくれるよ」
「そうした人が出てくれるんだ」
「確かに先生は恰好よくないよ」
 王子はこのことも言いました。
「きりっとしてなくて決まってもいないよ」
「正反対だね」
「そう、けれどね」 
 それでもというのです。
「それだけじゃないじゃない」
「人は」
「そうだよ、人間はね」
「魅力は他にもあるね」
「優しさ、包容力、公平さ。穏やかさ」 
 王子はこういったものを具体的に挙げていきました。
「先生歯全部もってるじゃない」
「だからなんだ」
「先生は素晴らしいものを一杯持っているから」
 それでというのです。
「格好よさはなくても」
「そうしたものを持っていて」
「お友達だけじゃなくてね」
「恋人になる人もなんだ」
「先生を好きになって」 
 そうしてというのです。
「離れられなくなるよ」
「僕が太っていてもかな」
「だから外見だけで人を判断する人は駄目だよね」 
 またこう言う王子でした。
「先生もそんなことしないじゃない」
「幾らお顔がよくても心が悪いと出るよ」 
 先生ははっきりと答えました。
「人相にね」
「それで同じだよね」
「そうなるよ、だから尚更ね」
「人は外見じゃないね」
「そうだよ」
 その通りだというのです。
「まさにね」
「それでだよ」
「僕もなんだね」
「先生が太っていても」
 それが事実でもというのです。
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