暁 〜小説投稿サイト〜
DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)
歌う人
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
<エコナバーグ>

エコナの屋敷を出たアルル達は、町の状況を見回る様に歩き劇場を目指した。
途中、小さな道具屋の前でタイロン老人が別れを告げる。
「ワシ、疲れた…、お前達、劇場、楽しめ…、今日は、ありがとう」
そう言い残し、寂しそうな背中を向けアルル達から遠ざかって行く…
道具屋の中からは、老女が出てきて彼を優しく迎え入れる。
「奥さんかしら…?」
「愛人かもよ!」
「リュカさんとは違います!」

「いやいやアルル…あの爺さんも男だからねぇ………気を抜いてるとティミーも愛人作るよ!」
「「作りません!!」」
キレイに声を揃えるカップル!
そんな二人を尻目に、リュカ等は笑いながら劇場へと歩み出す。
皆に笑われた事に、多少憤慨しながらもアルルとティミーはリュカ達について行く…互いに手を繋いだまま。


辺りを黄昏が染める頃、アルル達は『エコナバーグ劇場』へと辿り着く。
入口から入ると中には受付があり、若い女性が快く迎え入れてくれた。
「いらっしゃいませ!本日は超美形デュオ『カノーツ&エイカー』の歌謡ショウを行っております。存分にお楽しみ下さい!」
皆が『カノーツ&エイカーって誰?』と顔を見合わせる。

受付を抜け更に奥へ入ると、ステージ付きの酒場を豪華にした感じの造りになっている。
ショウを観ながら飲食…主に飲酒をする為の施設の様だ。
偶々なのか、あまり客は入って居らず、カノーツ&エイカーの熱狂的ファンの女性 (ケバ目の中年)等が居るだけ…
従ってアルル達はステージ前の最前列に座る事が出来た。

ステージには、中央やや右にグランドピアノが配置してあるが、誰も演奏してはおらず飾りと化している。
そしてその横には、多少美形の男二人が歌を歌い酔いしれている…お世辞にも『超美形』とは言い難いし、歌も今一である。

そんな『カノーツ&エイカー』を見たアルル・ハツキ・ビアンカ・マリーが、一斉に大声を上げたではないか!
「「「「あー!!何時ぞやのナンパ男!!」」」」
あまりの大声に歌は止まり、熱烈なファンの方々から殺意を込められた目で睨まれる。

「な、何!?ビアンカ達のお知り合い?」
いきなりの出来事に流石のリュカも戸惑い、身内女性4人を見回した。
「「ロマリアで、「「ダーマで、ナンパしてきた勘違いバカよ!」」」」
声のボリュームを下げることなく、カノーツ&エイカーを指さし罵声を浴びせる4人。

「何が『超美形デュオ』よ!大して美形じゃないじゃない!歌も下手だし!」
マリーの言葉に他3人も大きく頷く。
彼女等の価値観は、リュカ・ティミー・ウルフが基準となっている為、評価が辛くなるのだが、一般的に見ればカノーツ&エイカーは美形である…『超』ではないが。
また歌唱力については水準以下であるのだ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ