第二章
[8]前話
「他のもよ」
「飲んでいいの」
「そんなの法律で決まってないから」
明子はこうも言った。
「だからね」
「それでなの」
「試しに飲んでみる?」
明子は自分が飲んでいるシェイクを出して言った。
「そうしてみる?」
「シェイクよね」
「そう、バニラシェイク」
明子は笑って答えた。
「美味しいわよ」
「美味しいの」
「かなりね」
「そうそう、バニラシェイクもいいよね」
他のクラスメイト達も言って来た。
「美味しいわよね」
「甘くて冷たくてね」
「しかも独特の飲みごこちで」
「コーラもいいけれど」
「シェイクもいいわよ」
「だからね」
明子はまた言った。
「飲んでみて」
「紅茶じゃなくて」
「一口でもね。どう?」
「そこまで言うなら」
それならとだ、美幸も頷いてだった。
明子から受け取ってストローで一口飲んだ、そうして言った。
「これって」
「美味しいでしょ」
「ええ」
明子にまさにと答えた。
「これはね」
「マナーよくお抹茶を飲んだりね」
茶道のそれをというのだ。
「紅茶やコーヒーもいいけれど」
「こうしたものもなのね」
「いいのよ、というか従姉の人にどうかと思って」
そうしてというのだ。
「あれ飲まないこれ食べないのもね」
「ないっていうのね」
「美味しいと思ったらいい」
明子は美幸に笑って話した。
「それでいいんじゃない?」
「そういうものね」
「世の中ね。だからこれからはね」
「こうしたものもなのね」
「飲んで食べていこう」
「そうね。ハンバーガーも元々お高くとまったものでないし」
美幸は今自分達がいる店のことからも話した。
「それじゃあね」
「ええ、意識しないでね」
「美味しいと思ったら何でも飲んで食べていくわ」
笑顔で言ってそうしてだった。
美幸はバニラシェイクを飲ませてくれた明子に有り難うと笑顔で礼を述べた、そうして自分の紅茶もそのお礼に飲ませた。そのうえで。
この時からバニラシェイクやコーラ等を飲む様になった、そして美味しいかもと思った食べものも何でも食べる様になった。そうしてより美味しいものを知っていったのだった。
気取り屋少女とバニラシェイク 完
2022・6・21
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