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星河の覇皇
第八十一部第二章 軍事の素養その十一

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「警察もそうだが」
「武力組織は必要ですね」
「権限の確保の為には」
「その為には」
「軍隊の武力は必要ですね」
「武力のない権力は何か」
 ジャバルはここでは冷徹な声で述べた。
「歴史にあるな」
「はい、まさに」
「それは歴史の常です」
「如何に理想があり有能な者でもです」
「武力を持っていなければ」
「何も出来ずそれが為にだ」
 武力を持っていなくてというのだ。
「反対勢力の反撃や蜂起に遭ってな」
「そうしてでしたね」
「失敗した者は多かったですね」
「実際に」
「歴史においてそうでしたね」
「サハラでは特にそうだった」
 戦乱、まさに武力が前面に出ているこの国はというのだ。
「あの地域ではな」
「どれだけ武力を持っていない者が滅んだか」
「滅び去ってしまったか」
「そう思うとですね」
「我々としては」
「武力を持つべきですね」
「軍隊に影響を及ぼして」
「独裁者達もだ」
 歴史にある彼等もというのだ。
「必ずだ」
「権力を握る際にですね」
「武力を握っていますね」
「軍隊を掌握しています」
「何らかの手段で」
「そうだ、例えば政治士官も置いた」
 このことは政治委員というフランスのジャコバン派が軍隊の目付に置いた者達からはじまる、ナチスやソ連の政治士官はここからはじまるのだ。
「軍を監視してな」
「そしてコントロールして」
「そうしてでしたね」
「自分達の武力をしていましたね」
「そうでしたね」
「そしてだ」
 さらにと言うのだった。
「軍隊、武力を掌握していたからな」
「だからですね」
「我々としてはですね」
「軍を掌握する為に」
「同胞を入れて」
「政治士官の様なものも考えている」
 ジャバルは実際にこう言った。
「そうしてだ」
「軍隊を掌握されますね」
「閣下は」
「国家主席に就任された時は」
「そうされますね」
「これがカースト層や異教徒達なら違う」
 つまり普通のマウリア市民達ならというのだ。
「既に文民統制の中にある」
「左様ですね」
「それはもうですね」
「軍人達も多くはカースト層や異教徒達ですから」
「それで、ですね」
「動かすことにも問題はないですね」
「そうだ、しかしだ」
 それがというのだ。
「我々はだ」
「違います」
「アウトカースト層です」
「今は市民権を得ていても」
「それでもですね」
「その我々に彼等が従うか」
 マウリア軍の者達がというのだ。
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