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星河の覇皇
第八十一部第二章 軍事の素養その九

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「それでだ」
「あそこまでの惨敗は」
「どうしてもですね」
「頷けないですね」
「あまりにも酷い敗北で」
「どうにもですね」
「そうだ、だが軍事的資質はどうあれ」
 それがジャバル達が見たところ凡才でもというのだ、尚彼の周りのアウトカーストの者達も軍事の経験はなくそちらへの知識は素人だ。
 それでだ、こう言うのだった。
「それでもな」
「政治家としてはですね」
「シャイターン主席は傑出している」
「それならですね」
「政治家としてそうなら」
「必ずだ」
 サハラを出てもというのだ。
「他の国でも成功する」
「左様ですね」
「ではですね」
「連合は大きな人材を得ますね」
「サハラが統一された後で」
「そうなる、だからだ」
 それでというのだ。
「連合にとって利だが」
「あの国はですね」
「非常にですね」
「今回の戦役で得をしますね」
「逸材が来るので」
「そうなるがあの国は分権国家だ」
 各国家の権限が強い、このことを指摘するのだった。
「だから彼を戴く国は発展するが」
「他の国は、ですか」
「そして中央政府は、ですか」
「どうなのか」
「そこはですか」
「得をしたとは言えない」
 各国や中央政府が得をするとは、というのだ。
「連合に優れた人材が来るのは事実でもな」
「それでもですね」
「分権国家で各国の権限が強く」
「そして中央政府もある」
「そうしたことを見ますと」
「あの国全体でどうかはわからない、しかしだ」
 それでもと言うのだった。
「連合は確かにな」
「シャイターン主席が入り」
「優れた人材が来てですね」
「大きなことを為す」
「そのことは間違いないですか」
「その筈だ、私も連合ならだ」
 この国にいればとだ、ジャバルはその黒い目の光をこれまで以上に強くさせてそのうえで周りの者達に話した。
「アウトカーストの軛なぞないからな」
「より容易にですね」
「閣下の望まれることを進められましたね」
「それが出来ていますね」
「それも遥かに」
「そうだ、そうなっていた」
 必ず、というのだ。
「連合でも差別はあるが」
「それでもですね」
「あの国の差別は絶対ではないです」
「民族や宗教のそれはまだありますが」
「人間として扱われます」
「社会的にも法的にも権利は認められています」
「宗教的にも」
 周りも口々に言った。
「そう考えるとですね」
「連合の差別は緩やかですね」
「差別といっても」
「まだ遥かに」
「我々のものは区別だ」
 差別以上の響きを以てだ、ジャバルはこの言葉を出した。
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