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星河の覇皇
第八十一部第二章 軍事の素養その四

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「あの国はな」
「当時のドイツについては」
「既に強力な軍隊が存在していた」
「プロイセン以来の伝統ある軍隊が」
「あの軍隊があればな」
 その伝統ある軍隊がだ。
「それを育てていけばいい」
「正規軍としたまま」
「それでいいからな」
「突撃隊を軍隊にしませんでした」
「むしろだ」
 ヒトラーにしてみればだ。
「柄の悪い突撃隊をだ」
「ヒトラーはどうしようかと考えていました」
「そうなっていた」
「だからでしたね」
「突撃隊を粛清した」
 彼等を率いていたレームをはじめとした突撃隊上層部をだ、ヒトラーは一気に粛清してしまったのだ。尚ヒトラーとレームは親友同士だった。
「そうした」
「左様でした、そしてです」
「以後突撃隊を縮小した」
「そのことを見ましても」
「正規軍はだな」
「訓練を積んだ者しかです」
 軍隊の中でというのだ。
「置きたくないです」
「それが本音だな」
「ですから副主席のお考えは」
「断りたいな」
「是非共」
「私もそう考えてだ」
 クリシュナータにしてもというのだ。
「彼に言っている」
「副主席に対して」
「軍の拡大はいい」
 それ自体はというのだ。
「ですが」
「それでもですね」
「そうだ、それはだ」
「普通に拡大するもので」
「新兵からな」
「いきなりアウトカースト層の者を多く入れ」
 そしてというのだ。
「士官にもしていくことは」
「避けたいな」
「軍隊は軍隊です」
「専門職の集合体だな」
「はい、ですから」
 そうした組織であるからこそというのだ。
「避けたいですが」
「副主席はな」
「そこは違いますね」
「彼は非常に卓越した政治家だが」
 それでもというのだ。
「どうもな」
「こと軍事については」
「あまりだ」
 これはクリシュナータの見立てである。
「資質がない」
「そうした方ですね」
「そうだ」
 彼はというのだ。
「人は万能ではない」
「誰もがですね」
「得手不得手がありだ」
 そしてというのだ。
「彼も然りだ」
「政治家として卓越しておられ」
「統率力と知力もありな」
 それもかなりのレベルでだ。
「カリスマ性も備えているが」
「軍事については」
「不得意であってもだ」
「不思議ではないですか」
「万能の天才なぞない」
 この世にはというのだ。
「神々でもそうだな」
「はい、神々はです」 
 すぐにだ、武官はクリシュナータに答えた。これはヒンズー教徒でありその信仰から言っていることだ。
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