第二千九話 馴染みの人
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第二千九話 馴染みの人
伊藤さんは大隈さんに笑って言いました。
「いやあ、ついついな」
「吾輩の家にであるか」
「どの家も居心地がよくてな」
それでというのです。
「いついてしまうんだよな」
「住むとか言うであるな」
「そうなんだよ」
「全く。宿無しでもあるまいし」
「いや、わしの家もいいけれどな」
山縣さんが驚く無頓着さで建てたお家です。
「お前の家もな」
「吾輩は家に凝るであるが」
「それがいいのかもな」
「仕方ない奴である」
「そう言ってもいつもいさせてくれるな」
「嫌いではないであるからな」
大隈さんここで表情が穏やかになりました。
「だからである」
「それでか」
「仕方ない奴である」
微笑んでこう言ってです、大隈さんは伊藤さんが来ても追い出さないのでした。猫みたいにいついても。
第二千九話 完
2022・6・12
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