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星河の覇皇
第八十一部第一章 全戦線でその五十六

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「導入する」
「新兵器も」
「それが役に立てばだがな」
 この前提があるにしてもというのだ。
「導入していく」
「航空機やミサイルの様に」
「戦車もそうだが新兵器は中々認められない」
 これは新兵器の宿命だ。鉄砲からのことだ。
「しかしだ」
「それが役立つならば」
「導入すべきだ、無論失敗もある」
 ギルフォードはリスクの話もした。
「その場合もな」
「導入した新兵器に問題がある」
「そしてだ」
「無駄に使えないこともだ」
 それもというのだ。
「ある」
「常に成功するとは限らないですね」
「我が国の歴史ではよくあった」
 今度はだった、ギルフォードは笑って述べた。
「新兵器を開発したが」
「その兵器がですね」
「どうにもということがな」
 こうアランソに述べた。
「よくあった」
「イギリスではですね」
「そうだった、氷山空母もあったな」
 イギリスが計画したものだ、氷山一つを空母にしてそのうえで戦場に投入しようとするものである。
「実用化していないが」
「そして他にも」
「奇想兵器を考え出してだ」
「中には実用化してでしたね」
「思う様にならなかったものもあった」
「そうしたこともですね」
「兵器にはある、兵器の開発は生物の進化に似ている」
 それにというのだ。
「そして我が国はカンブリア紀なのだ」
「カンブリア紀ですか」
 ギルフォードのその言葉にだった、カミュは思わず笑って返した。
「それはです」
「流石にか」
「はい」
 こう言うのだった。
「言い過ぎかと」
「そうか、しかしだ」
「イギリスの兵器は、というのですね」
「今言った氷山空母もだが」
「他の兵器もですか」
「まるでカンブリア紀の様にだ」
 この頃の生物達の様にというのだ。
「実にだ」
「独特の状況であったとですか」
「私自身思う」
 ギルフォードはこの考えを変えなかった。
「どうもな」
「左様ですか」
「そしてだ」
「その独特さ故にですか」
「見るべきものもな」
 それもというのだ。
「あったとは思う」
「戦車を最初に造りましたね」
 アランソがこのことを指摘した。
「イギリスが」
「一次大戦の頃にな」
「あの砲塔のない」
「車体だけのな」
 一次大戦の頃の戦車はそうしたものだった、それが砲塔と大砲を備えたものになっていったのである。
「そうしたものだったな」
「その戦車を製造してです」
「戦車の歴史がはじまったな」
「今も使用されています」
 陸上兵器としてだ。
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