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星河の覇皇
第八十一部第一章 全戦線でその五十三

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「そしてです」
「料理の味や量に文句を言った」
「それ自体もですね」
 どうもと言うのだった。
「有り得ないですが」
「とかくあちらの味はな」
「連合のそれは」
「我々にとってはだ」
「合わないですね」
「エウロパのカレーはな」
 実にというのだ。
「我々の味でな」
「美味しいものですね」
「そうだ、そして私のシェフだが」
 ギルフォードはアランソに笑って話した。
「当家に代々仕えてくれているな」
「そうしたシェフですか」
「そうだ、英吉利人はよく料理は駄目だというが」
 これはイングランドに限らずスコットランド、アイルランド、ウェールズといったイギリス系の四つの国全てのことだ。
「それは人による」
「閣下のシェフの腕はですか」
「フランスで長年修行を積んできていてな」
「それで、ですか」
「素晴らしい腕だ」
 それの持ち主だというのだ。
「実にいい」
「そしてカレーもですか」
「むしろカレーが最もな」
「得意ですか」
「だから楽しみにしている」
「そうですか、ではですね」
 カミュはギルフォードの今の話から彼自身に尋ねた。
「マウリアの財界人の方々にも」
「そうだ、私のシェフの腕をだ」
「楽しんで頂くのですか」
「今回は晩餐会ではないからな」
 国賓に対するそれではないからだというのだ。
「私のプライベートの屋敷でのだ」
「会食なので」
「それになる」
 自分のシェフの料理を出すというのだ。
「だからだ」
「シェフが作ったカレーをですね」
「食べてもらう、そしてだ」
「そのうえで、ですね」
「楽しんでもらう、チキンカレーをな」
「鶏肉がこうした時は」
 どうかと言ったのはアランソだった。
「一番無難ですね」
「個人的な嗜好は置いておいてな」
「宗教的制約に触れないので」
「もっと言えば菜食だ」
「それが一番ですね」
「はっきり言えばな、だから」
「野菜のカレーもですか」
 アランソはこのことも察して述べた。
「用意しますか」
「そうだ、お客人の中でそちらという人がいればな」
「そちらのカレーもですね」
「出す」
 そして食べてもらうというのだ。
「これ位は連合の不作法な者達でもしているしな」
「それも必ずですね」
「だからだ」
「連合の者達が出来るならですね」
「我々もだ」
 当然というのだ。
「出来ない筈がない」
「そういうことですね」
「そしてだ」 
 八条はさらに言った。
「カレーを堪能してもらう」
「閣下のシェフが作ったそれを」
「尚余ったものはだ」
 ギルフォードはこのことも話した。
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