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星河の覇皇
第八十一部第一章 全戦線でその五十二

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「美味しいものはですね」
「美味い、ただ連合の味はどうやらな」
「我々からしてみれば」
「調味料を使い過ぎている」
 その中には香辛料も多く入っている。
「そしてだ」
「味が濃いですね」
「素材の味はだ」
 肉や魚、野菜のそれはというのだ。
「全く生かしていないそうだな」
「実際に食べたことはないですが」
「我々にとっては味がきつ過ぎてな」
 エウロパの者達にしてみればだ。
「あまりにもそうであってな」
「食べにくいそうですね」
「カレーもな」
「カレーも味が違うものですね」
「それぞれの国でな」
「連合とエウロパで」
「連合は各国での味がかなり違いもするが」
 このことは連合の地域色の強さ故である、分権主義で各国の権限が強いが文化的にもそうなっているのだ。
「しかしだ」
「全体的にですね」
「味が強くてな」
「我々からしてみればですね」
「食べられたものではない」
「左様ですね」
「カレーもな、だからカツカレーもな」
 連合の日本で生まれたこのカレーもというのだ。
「エウロパのカツカレーは違うが」
「連合のカツカレーは味が強く」
「食べられない」
「繊細さがないとのことで」
 アランソも言ってきた。
「それ故に」
「そして連合側にとってはな」
「我々の料理はですね」
「味がないそうだ」
 ギルフォードは忌々し気に述べた。
「何でもな」
「そう言っていましたね、よく」
「しかしそれはだ」
「彼等の舌がですね」
「連合の濃い味に慣れ過ぎていてだ」
「繊細な味をですね」
「理解出来ないだけだ」
「そもそも軍服という正装でしかもお金を持っているからといって」
 カミュも不快そうに述べた。
「下士官や兵士が貴族用のレストランやバーに入るなぞ」
「そのこともだな」
「有り得ないですが」
「しかもフルコースを注文してな」
「やれ味が薄いだのないだの」
「量も少ないと言っていたな」
「また士官がパブで集団でおおっぴらに飲んだり」
 こうしたこともあったのだ、全てエウロパ戦役の時の話だ。
「ファーストフード店に入ったり」
「普通にしていたな」
「ああしたことはです」
「エチケットとしてな」
「有り得ないですが」
「こっそりならいい」
 身分を隠してだ。
「それならいいが」
「あの様にですね」
「兵士が貴族のレストランに入るなぞ」
 下士官もだ、尚エウロパでは貴族階級の者は軍隊では必ず士官になるし会社では管理職となるのだ。役所でも同じだ。
「有り得ない」
「それを言うレストランもあったそうですが」
「強引にだな」
「入ってです」
 よく言われたのは連合ではいいと言ってだ。
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