第八十一部第一章 全戦線でその四十四
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「だからだ」
「閣下もですね」
「私のことはいいがな」
「ご家族にはですね」
「言うことは許さない」
「それは閣下への批判ではなく」
「家族への悪意ある攻撃によってだ」
それを行ってというのだ。
「私を貶めようとしているな」
「極めて卑劣な行為ですね」
「私自身を貶めるならだ」
それならばというのだ。
「幾らでもいいが」
「それでもですね」
「私を貶めるならばしてみろだ、どういった攻撃もだ」
それが自分自身に対するものならというのだ。
「してみろとなるが」
「ご家族には」
「妻も子供達も政治家ではないしだ」
「私人ですね」
「私人を狙うならだ」
それならというのだ。
「決してだ」
「許せないことですね」
「絶対にな、そして家族を守ることはな」
ギルフォードは今度はこのことについて話した。
「家族としてだ」
「絶対のことですね」
「家族を守れない者は何か」
「何でもないですね」
「最早な」
それだけでというのだ。
「だから私もだ」
「そのこともですね」
「決してだ」
まさにというのだ。
「果たす、家族は守る」
「そうしなければならないですね」
「誰であろうがな」
ギルフォードは今度はアランソに答えた。
「そうする、だが」
「だが、といいますと」
「私はその際総統の権力は使わない」
エウロパ国家元首のそれはというのだ、言うまでもなく中央集権国家の国家元首としてのそれは絶大なものだ。
「そちらはな」
「そうなのですね」
「そうだ、それはだ」
また言うのだった。
「使わない」
「決して」
「それはな、権力を使うことはだ」
「私に対してはですね」
「使わない、私の今の権力は何の為にあるか」
「私の為ではない」
「そうだ、公の為だ」
即ち政治の為だというのだ。
「その為にあるものだからな」
「私のことにはですね」
「使わない」
「ご家族の為にも」
「そうする、私の力を使ってだ」
そしてというのだ。
「そうした場合はな」
「ことを収めますか」
「そうする」
アランソに強い言葉で答えた。
「私はな」
「そうされますね」
「それでだが」
「はい、批判はですね」
「何度も言うが」
「構わないのですね」
「リア王は愚かだった」
ギルフォードも言うことだった。
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