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星河の覇皇
第八十一部第一章 全戦線でその四十一

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「成功しているな」
「確かに」
「ケインズ理論は古いが」
 ギルフォードは今度は経済の話をした。
「しかしだ」
「それでもですね」
「今も有効だ」
「死んではいないですね」
「当時もう一つの主流だったマルクスは死んだがな」
 こちらの経済学はというのだ。
「そうなったがな」
「それでもですね」
「ケインズは生きていてだ」
 そしてというのだ。
「今もだ」
「閣下がされた様にですね」
「生きていてだ」
「エウロパを復興させましたね」
「そうだ、エウロパ戦役がエウロパに与えた傷は大きかった」
 連合軍は民間施設への攻撃は行わなかった、あくまで軍事的技術に限ったが戦争はそれでも行うだけで民間施設や産業にもダメージを与えるものなのだ。
 それでだ、彼等は言うのだった。
「だがな」
「そこはですね」
「公共事業でだ」
「復興させることだ」
「閣下が行われた様に」
「国債を発行してでもな」
 そうもしてというのだ。
「行うべきだ」
「それが正しいと」
「そうだ、だが」
「それはですね」
「通過点だ」
 復興と発展、それがゴールではないというのだ。
「私はいつも言っている様にだ」
「エウロパに繁栄をもたらす」
 カミュが応えた。
「かつての様な」
「帝国主義時代の様なな」
「欧州、つまりエウロパが全人類の主導する立場になる」
「そうなることをだ」
 まさにというのだ。
「考えているからな」
「だからですね」
「これで終わりではない、だからこそだ」
「これからですね」
「暗黒宙域を踏破してだ」
 そしてというのだ。
「新天地を手に入れる」
「そういうことですね」
「そうだ、その富をな」
「では」
「それを今よりはじめる」
「わかりました、では」
「港に艦隊と物資を集めていく、その予算が足らないなら」
 この場合も言うのだった。
「やはりな」
「国債をですね」
「発行してだ」
 そのうえでというのだ。
「ことを進める」
「そうしますね」
「今回もな」
「国債は確かに返していっていますが」
「その額は膨大だな」
「そこにさらにですね」
「私はさらにだ」
 躊躇、それが一切ない言葉だった。
「国債を発行してだ」
「そしてそのうえで」
「ことを進めていく」
 まさにというのだ。
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