第千九百八十六話 存在感が
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第千九百八十六話 存在感が
松方さんは薩摩閥の領袖の一人で日本の上司の一番偉い人にもなって元老にもなっている様な人です。
ですがそれでもです。
「あれっ、松方さんは?」
「さっきまでおられたのに」
「何処に行かれたのかな」
「あの、ここです」
松方さんは少しおどおどした物腰で言ってきました。
「僕はいますよ」
「あっ、おられたんですか」
「それはよかったです」
「いや、何処におられるかと思いましたが」
「こちらですか」
「僕はいつもこうなんですよね」
松方さんは今度はとほほというお顔になりました。
「そこにいるのにいないと思われまして」
「それはその」
「何といいますか」
「黒田さんと比べますと」
「あの人存在感ありますからね」
それもかなりです。
その黒田さんと比べると存在感が全くありません、松方さんはどうしても気付いてもらえないことがあるのです。
第千九百八十六話 完
2022・5・31
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