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パリは寒かった
第一章

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                パリは寒かった
 乙葉詩織は大学で友人の黒田美奈代に笑顔で語っていた。茶色にした髪の毛は腰まであり卵型の顔に細く長い眉と切れ長の二重の目で鼻は高く紅の唇は大きい。一六六程の背でメリハリの利いたスタイルである。
「今度フランスに行くのよ」
「あんた前から行きたいって言ってたわね」
 美奈代は詩織のその言葉に応えた、顎が細いやや丸めの顔で短めの黒髪の右上の部分を髷にした髪型だ。目は大きくはっきりとしていてピンクの唇は大きい。一五三程の背で標準的なスタイルである。
「そうだったわね」
「それもパリね」
 そこだとだ、詩織は笑顔で応えた。
「一度でいいから行ってみたかったからね」
「今回パリに行くの」
「そう、それでパリの街を観て」
 そうしてというのだ。
「美味しいものもよ」
「食べるのね」
「花の都に行って」
 パリの通称も話に出した。
「それでよ」
「楽しんでくるのね」
「お土産楽しみにしていてね」
「あれ?凱旋門の上にエッフェル塔が乗った」
 美奈代は詩織に話した。
「あの置きもの?」
「あれ日本のでしょ」
 詩織は美奈代のその話に苦笑いで応えた。
「だからね」
「フランスにはないの」
「パリにはね、兎に角冬休み年末年始はね」
「パリで過ごすのね」
「そうしてくるわ、じゃあ休みが終わったらね」 
 冬休みがというのだ。
「お土産とパリのお話楽しみにしていてね」
「ええ、私その頃は実家に帰るけれど」
 東京にある自分達の大学の近くのアパートからだ。
「鹿児島のね」
「じゃああんたもあんたで」
「鹿児島のお土産とお話持って来るわね」
「楽しみにしてるわね」 
「帰ってきたらパリジェンヌになっているとか」
「旅行に行く位でならないわよ」
 笑って言ってだった。
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