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星河の覇皇
第八十一部第一章 全戦線でその三十一

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「実際にだ」
「人間にはですね」
「不可能と思われていることもな」
「その実はですね」
「可能であることはだ」
「多い」
「そうだ、そしてそれはだ」
 紅茶を一杯飲んでからだ、ギルフォードはさらに話した。
「暗黒宙域についても同じだ」
「踏破が不可能と言われていても」
「それは可能だ」
「その策はですね」
「ある、何故暗黒宙域の踏破が不可能か」
 そう言われている理由はというのだ。
「それはだ」
「何十万光年もの距離に何もない」
「まさに大海原だ」
「大航海時代の」
「それだ、島も何もないな」
 大西洋か太平洋の様だというのだ。
「踏破しようと思えばな」
「尋常なものでないので」
「途中で船の中の食料がなくなる」
 勿論水もだ。
「常温核融合でもな」
「そのエンジンでもですね」
「何十万光年ともなるとな」
「踏破は出来ないですね」
「そうだ、しかしそれはだ」
「一度に踏破するならで」
「島があればどうか」
 ギルフォードはまた大海原に話を例えた。
「その場合は」
「補給地、そして休養地になるので」
「大西洋も踏破出来たな」
「コロンブス以前に」
「実際にバイキング達は拠点を持ってだ」
「アメリカ大陸に到達していました」
 コロンブスが最初の発見者でないことはこの時代でははっきりと言われている、既にバイキング達が発見していたことを。
「グリーンランドを足掛かりとして」
「アイスランドとな」
「左様でしたね」
「カルタゴ人はアフリカ西岸に進出していた様だ」
 地中海を越えてだ。
「カナリア諸島等を中継地にしてな」
「そうした中継地があれば」
「大海原も踏破出来る」
「そして暗黒宙域も」
「そうだ、だからだ」
 それでというのだ。
「踏破出来る」
「左様ですね」
「あの暗黒宙域もな」
 それもというのだ。
「途中に島があれば」
「ですが島は」
「ない、星系一つな」
 全く何もない、そうした宙域なので暗黒宙域と呼ばれているのだ。
「存在しない、だが」
「ないならですね」
「築けばいい」
「島を」
「人工島をな、つまりだ」
「その島はですね」
「コロニーだ」
 それだというのだ。
「スペースコロニーだ」
「中継基地のそれを築いていき」
「蛙跳びにだ」
 その要領でというのだ。
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