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運動をさせないと
第一章

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                運動をさせないと
 休日なので洋介はふわりを両親と共にドッグランの場に連れて行った、そうして彼女を好きなだけ走らせたが。
「ワンワン」
「ふわりって本当に動き回るの好きだな」
 洋介は嬉しそうに走り回るふわりを見て言った。
「毎日二回散歩に行ってな」
「そうしてだな」
 父の文太も応えた。
「こうしたところに来たらな」
「物凄く走るよな」
「そうだな」
「元気で体力もあるな」
「足も速いな」
「ジャンプして泳ぐことも好きだし」
 母の由里子も言ってきた。
「兎に角ね」
「動くこと好きだな」
「そうよね」
 息子にも応えた。
「毎日ね」
「雨の日だって散歩に行くしな」
「犬用のレインコート着けて」
「ふわりレインコート着けなくても平気だけれどな」
「後で拭かないといけないから着けてね」
 そうしてというのだ。
「行ってるわね」
「そうだよな」
「兎に角ふわりは運動好きね」
「家の中でも遊ぶかって言うと出て来るしな」
「尻尾を振ってね」
「運動好きだよ」
「それでいいんだ」
 ここで父が言ってきた。「怪我には注意しないといけないがな」
「それでもか」
「ああ、身体を動かしたらな」
 ふわりがというのだ。
「ストレス解消になるし健康にもな」
「いいか」
「あいつ等みたいにしてみろ」
 ふわりの飼い主達の様にというのだ、今や禁治産者になり子供達の親権も仕事も失い酒を飲むだけの廃人になっている彼等の様に。

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