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オズのホボ王子
第七幕その九

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「ですから」
「それでじゃな」
「国に帰りますと」
 その時はというのです。
「パーティーもして」
「国の仕事もな」
「します」
「そうじゃな」
「ですから王様も」
 リンキティンク王もというのだ。
「お仕事をです」
「頑張らんといかんな」
「そうして下さい」
「暫く旅は出来んか」
「王様も僕も」
「いつも旅に出てはいかんな」
「国を治めているとそうですよ」
「そうじゃな、王様も楽ではないか」
「楽ではないですが楽しく過ごせますよ」
 王子は少し残念そうに言った王様にこう返しました。
「お国でも」
「仕事をしつつか」
「はい、そうしながら」
「そうじゃな、いつもそうしておるしな」
「旅をしても楽しめますが」
 それと共にというのです。
「お国でお仕事をしながらもです」
「楽しめるな」
「それがオズの国です、お仕事自体も」
「楽しめるな」
「そうです、全ての事柄が楽しめますから」
 そうした国だからというのです、オズの国は。
「残念に思うことはないです」
「一切じゃな」
「はい、ではお国で会いましょう」
「うむ、また会う時を楽しみにしておるぞ」
「僕もですよ」
 笑顔でお話をしてでした。
 リンキティンク王が電話を切りますと王子はそのスマートフォンを収めました、そしてそのうえで、です。
 王子は皆に笑顔のままこう言いました。
「これでね」
「リンキティンク王の国ではなのね」
「王様が迎えてくれるよ」
 王女に笑顔で答えます。
「楽しみにしておいてね」
「ええ、是非ね」
「楽しい旅だけれどね、リンキティンク王に会えないことはね」
「王子としてはなのね」
「寂しいよ」
「そうなのね」
「僕達は無二の親友になったからね」
 王子が今の姿に戻ってからです。
「それまでは僕は悪態ばかりだったけれど」
「リンキティンク王はずっと受け入れてくれていたわね」
「そのリンキティンク王と一緒にいると」
 それならというのです。
「僕はそれだけで最高に幸せなんだ」
「その人と一緒でないから」
「旅は楽しくても」
 それでもというのです。
「どうしてもね」
「その分寂しいわね」
「リンキティンク王もだよ」
 この人もというのです。
「だからだよ」
「今電話をしてきたのね」
「そうだよ、僕達はやっぱりね」
「無二の親友だから」
「長い間別々だとね」
「寂しくなるのね」
「どうしてもね」
「絆は強いのね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
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