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飼う方が
第二章

[8]前話
 最後の一匹、白黒のハチはだった。
 逃げて団地の近くの公園まで逃げたがそこでだった。
 何とか保護出来た、それで夫は妻に話した。
「娘は二匹ずつ飼いたいって言ってるし」
「七匹いるのだし」
「この子はうちの子にするか」
「それがいいわね」
 こう話してだった。
 七匹は去勢と不妊の手術を受けて病気の診察もしてもらってだった。
 そのうえで娘達がそれぞ二匹ずつ長女が黒猫二匹を次女が白猫二匹を三女が茶と白の二匹を家族に迎えてだった。
 最後の一匹、ハチは夫婦が家族にした。そうしてだった。
 猫達を全て引き取ると彼等は皆だった。
「病気もないし元気でね」
「どの子も愛嬌があって人懐っこくてね」
「家族皆と幸せに過ごしてるわ」 
 娘達はそれぞれの猫達を実家に連れてきて両親に話した。
「最初は見慣れないところに来て戸惑って」
「落ち着きがなかったけれど」
「今はすっかり馴染んでるわ」
「そうなんだね、それはよかったよ」
 父は娘達の話を聞いて笑顔で応えた。
「それで暫く振りに会ったら」
「この通りね」 
 母は暫くぶりに再会して仲良く遊んでいる七匹の猫達を見た、すると。
「ニャア〜〜〜」
「ナァ〜〜〜」
「ニャ〜〜〜ン」
「ウニャ〜〜〜」
「ミャア〜〜〜」
「ミャウ〜〜〜」
「ニャオ〜〜〜ン」
 七匹で楽しく遊んでいた、それはまるで家族で。
 それを見てだ、母は娘達に話した。
「どの娘もこうして時々でも会えるし」
「それぞれのお家で幸せに過ごしてるわ」
「暖かいお家の中でいつもお腹一杯ご飯食べて」
「快適に遊んでぐっすり寝てね」
「うちの子もだよ、お前達の言うことを聞いてよかったよ」
 父は娘達に微笑んで話した。
「猫はただご飯をあげるだけじゃなくて」
「そうよ、去勢や不妊の手術をしてあげて」
「出来たらお家に迎えてね」
「家族にすべきよ」
「そうだね、じゃあこれからもハチを家族として大事にしていくよ」
 笑顔で言ってだった、夫婦は時々彼を娘達が連れて来た兄弟姉妹達と会わせてあげてだった。
 ご飯と水をあげて暖かい部屋の中で寝たいだけ寝かせた。そしてもう一匹近所で保護した茶と白の八割れの雌猫ニンと名付けた彼女を紹介すると。
「ニャア〜〜〜」
「ウニャ〜〜〜」 
 彼女と兄妹の様に仲良くなった、団地から老夫婦の家に迎えられた彼は幸せに生きていった。


飼う方が   完


                   2022・5・22
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