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犬でも女の子だから
第二章

[8]前話
「そうでしょ」
「そうだな」
「そう考えたらね」
 夫にさらに話した。
「ふわりは女の子でね」
「奇麗好きでか」
「身だしなみにも気を使ってるのよ」
「お洒落なんだな」
「そうじゃない?人間の女の子もお洒落で」
「ふわりもか」
「そうじゃない?若しそうだったら」
 泡を洗い落とされるふわりを見て話した、シャワーでそうされている間目を閉じてじっとして大人しくしている。
「ふわりは美人さんだしね」
「トイプードルの中でもな」
「顔立ちも可愛くてね」
「スタイルもそうだな」
「ドワーフ体型でね」
 足の短いそれも可愛いというのだ。
「そうだしね。それならね」
「余計にいいか」
「ええ、だったら私達もね」
「そのふわりに応えてか」
「お洒落させてあげましょう」
「こうして奇麗にしてか」
「リボンや服を着せてあげてね」
 そうしてというのだ。
「そうさせてあげましょう」
「そうだな、それじゃあな」
 夫は妻の言葉に頷いた、そうしてだった。
 ふわりの身体が拭かれてドライヤーをあてられて完全に奇麗になって彼女と共に家に帰ると頭にピンクのリボンを付けて。
 ピンクと白のフリルが多くあるドレスを着せた、そのうえで夫婦でふわりに尋ねた。
「ふわり、どうだ?」
「お洒落出来て嬉しい?」
「ワンッ」
 ふわりは彼女の本当の両親に鳴いて応えた、見れば彼女の短い尻尾はぴこぴこと振られていた。そうしてだった。
 この日彼女は妹達と会ったが妹達も彼女を見て笑顔になった。そのうえでお洒落をして妹達と画像に映したが。
 インスタグラムにあげられたその画像を見てだ、文太と百合子の息子でふわりの兄である洋介は笑顔で話した。
「こんな美人の妹いて嬉しいな」
「ああ、自慢の娘だな」
「そうよね」
「性格もよくてだからな」
 外見もというのだ。
「本当にな」
「自慢の娘だな」
「性格も外見も奇麗でね」
「奇麗好きでお洒落な」
「自慢の家族ね」
「そうだな、ふわりは本当にいい娘だよ」
 満面の笑顔で言った、そうして彼はふわりにブラッシングをした。すると彼女はこの時も嬉しそうでかつお洒落な女の子になった。


女の子だから   完


                  2022・4・26
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