第二章
[8]前話
「今お話をしに来ました」
「そうでしたか」
「注意して下さい」
雅は強い声で話した。
「その時は突っぱねて下さい」
「父と不倫して家庭を壊した人ですから」
これが好美の返答だった。
「幸い母は収入のいい仕事なので祖父母も裕福で同居していて生活に困っていなく私も今定職があるので」
「お金には困ってないですね」
「なら絶対にです」
「来ますね」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「注意して下さい」
「わかりました、実は貴女とは絶対にです」
「会いたくなかったですね」
「それで今回かなり嫌な気持ちでここに来ましたが」
「私もお会いしたくなかったです」
雅もこう返した。
「ですが」
「それでもですか」
「是非お話したくて」
「ここに呼んでくれて」
「お話させてもらいました」
「そうですね、有り難うございます」
無表情だが確かな声で礼を述べた。
「では本当にあの人が来たら」
「追い返して下さい、電話で来ても直接来ても」
「そうします」
好美は確かな声で答えた、そしてだった。
二人はこの時はお互いに礼儀で挨拶をして別れた、そして後日実際にだった。
雅の母であり父の浮気相手だったゆり子が是非遺産放棄して自分に渡して欲しいお金に困っていあになら助けてと必死に電話で言ってきたが。
断わった、ゆり子は電話の向こうで泣き叫んでいたが無視した、そして相続した遺産を使って母に海外旅行をプレゼントした、それからゆり子がどうなったかは後日雅から自分が縁を切ってパチンコで破産したと聞いた、それでこの話は終わったのだった。
遺産相続の騒動 完
２０２２・４・２３
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