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ドリトル先生とめでたい幽霊
第十二幕その六

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「これからもずっとおるで」
「そうですね」
「そうするわ」
 こう言うのでした、そしてです。
 織田作さんは先生にこう言いました。
「これから何か食べに行こか」
「何をでしょうか」
「そやな、大阪は色々美味いもんがあるけどな」
「その中から何を食べるか」
「迷うな、実は今夜かはかみさんと自由軒行って夫婦善哉にもな」
「行かれますか」
「そやからお昼はな」
 つまり今はというのです。
「別のお店に行こうかって思ってるけど」
「それが何処か、ですね」
「何処にしよか」
 考えながら言うのでした。
「一体な」
「そうですね、何でしたら」
 先生は織田作さんに切り出しました。
「鰻丼にしますか」
「いずも屋に行ってやな」
「そうしませんか」
「ええな」 
 織田作さんは笑顔で応えました。
「ほなな」
「これからですね」
「いずも屋行こうな」
「そうしましょう」
「地下鉄で行こうか」
「それで、ですね」
「地下鉄もええな」
 大阪市のそれもというのです。
「あれを使ったら大阪の何処でもや」
「すぐに行けますね」
「便利や、出来てよかった」
 こう言うのでした。
「ほんまに。ただな」
「それでもですか」
「線を覚えるのに最初苦労したわ」
「そうですか」
「駅も多いし複雑やしな」
「そうですね、ですが東京は」
「もっとか」
「はい、もう迷路の様で」
 そこまで凄くてというのです。
「相当慣れていないとです」
「迷うか」
「大阪よりも」
「そこやな、東京はほんま私には合わん」
「そうしたところもですか」
「やっぱり私は大阪のモンや」
 だからだというのです。
「そやからな」
「東京にはですね」
「もう行かん、実際身体なくなってから大阪から出たことないで」
「ずっと大阪にですか」
「おるで、私は大阪で生まれ育ったし」
「大阪に暮らしておられて」
「今もおるしな」 
 それ故にというのです。
「そやからな」
「東京には行かれないで」
「そしてな」
 そのうえでというのです。
「大阪にずっとおるで」
「これからもですね」
「大阪ある限り」
 まさにその限りとです、織田作さんは先生に笑顔で言いました。
「私はこの街におるで」
「そうですか、では」
「鰻丼食べに行こうな」
 笑顔でこう言ってでした。
 織田作さんは先生達と一緒に地下鉄に乗って難波まで行っていずも屋に入りました。そのいずも屋で。
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