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ドリトル先生とめでたい幽霊
第十幕その十
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「それなりの人間性が必要だよ」
「だらしなくて間違いを犯しても」
「それでもなんだ」
「それなりの人間性が必要なのね」
「うん、若し完全に自分しかなくて怠け者で思いやりも恩義も感謝も努力もしなくて尊大で図々しくて厚かましくて不平不満だけですぐに怒って愛嬌もない人なら」
 そうした人ならというのです。
「落ち着ける場所なんてね」
「ないんだ」
「そうした人はどうしようもないの」
「聞いてる限り最低だけれど」
「そんな人は」
「落ち着く場所は自分が見付けるし」
 そうしてというのです。
「周りの人もいていいとなるけれど」
「そんな人だとね」
「いて欲しくないからね、誰も」
「だから落ち着く場所もない」
「流れるままなんだ」
「そうなるよ、だから織田作さんの作品の登場人物も」
 この人達もというのです。
「だらしなくて間違いもしてだけれど」
「それなりの人間性があるんだ」
「お世辞にもって人達でも」
「それでも」
「人間臭くて愛嬌もあるんだ」
 そうだというのです。
「等身大でね」
「そんな偉そうでもない」
「その人なりに生きている」
「そうした努力をしていて」
「恩義も感謝もしているんだね」
「そうだよ、間違っても奥さんと別れて」
 そうなってというのです。
「働かないでもずっとお料理も作ってくれていたのにそのお料理に文句ばかり言ってね」
「今先生が言った人だね」
「織田作さんの作品にも出ないね」
「そんな人だね」
「そうだよ、しかも奥さんが出て爪切りまで持って行ったとか」
 そうしたというのです。
「言う人はどうしようもないよ」
「織田作さんの作品でも出ない」
「落ち着ける場所もない」
「そんな人だね」
「だから落ち着く場所にいられるにも」
 織田作さんの作品の人達の様にです。
「ある程度の人間性が必要なんだ」
「幾らだらしなくて間違えても」
「お金や女の人にだらしなくても」
「仕事をすぐに辞めても」
「裏切りをしても」
「それでもだよ、そこにうしろめたさも感じているし」
 間違ったことをしてです。
「そんな、ね」
「奥さんにお世話になっていて別れて」
「爪切りまで持って行ったじゃね」
「爪切りまでお世話になっていて」
「そのことに感謝しないでそれを言う位器が小さくて」
「爪切りさえどうにもならない甲斐性なしで」
「それを人に言う無神経さじゃね」
 皆もそれはと言います。
「どうしようもないね」
「そんな人は」
「何をしても」
「それでもね」
「どうしようもなよ、けれどね」 
 それでもというのです。
「織田作さんの登場人物は」
「そこまで酷くない」
「ある程度で収まっていて」
「それで最後は助かるんだね」
「落ち着くべき
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