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非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第118話『鉛の雨』
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撃った重装兵たちは銃こそ失ったものの、今度は剣を構え始める。まだ終わりではないようだ。

一方、月たちの方も花織の力によって現れた蔓が敵を拘束していたが、全員ではない。動ける兵が発砲を続け、それを月が全て防いでいる。

互いに一進一退の状況。気を抜けば死ぬ可能性もあるギリギリの戦いだ。よそ見は許されない。


「へぇ、いい連携じゃないか」

「よそ見する暇はねぇぞ」

「どうせ見なくたって問題ないだろ」

「ナメやがって!」


自分の手下がやられていても俯瞰の姿勢を崩さず、とことん影丸までも見下す雨男。だがその言葉通り、見ていなくても影丸の攻撃を躱していたのだ。だからなおさら影丸には腹立たしかった。


「"黒龍爪"!」

「だから当たらない、な!」


痺れを切らした影丸が魔力を込めた貫手を繰り出すも、それも避けられる。
そして雨男は反撃にと、影丸の腹部に手をかざした。これはアーサーの時にも見た技で、身体に風穴を空けてしまいかねない危険な技だ。このままでは影丸もアーサーの二の舞に──


「……へぇ、今のを耐えるか」

「──"龍化"。龍の鱗をナメるなよ」


金属がぶつかるような硬い音がした。だが影丸の腹部に穴は空いていない。

そう、影丸は"龍化"──全身を龍に変身することで乗り切ったのだ。結月の"鬼化"と似たようなものだろう。
人型ではあるものの、鋭い牙や爪、そして龍らしい翼や尻尾まで生えている。何より目を引いたのは、彼の能力(アビリティ)"黒龍"の名に相応しい、漆黒の鱗だった。謎の攻撃をも通さないその防御力は賞賛に値する。


「彼女といい君といい、俺の攻撃を防ぐ奴が2人もいるなんてな。旧魔術師とはいえ褒めてやるよ」

「いい加減、その旧魔術師って呼び方やめてくれねぇか? 見下されてるようでイライラしてしょうがねぇんだ」

「実際に見下しているんだからその感情は正しいよ。そんなに不満なら、俺に全てぶつけてみろ」

「ガキのくせにいい度胸だ。死んだって知らねぇぞ」


──こうして、魔導祭閉会から一転、テロリストたちとの争いが始まったのだった。


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