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店で騒いでいると
第一章

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                店で騒いでいると
 越島伊吹は高校生である、通っている高校ではいつも親しい友人達と楽しく過ごしている。それは学校の外でも同じで。
 店に行ってもお喋りに興じている、メンバーは橋口満代と矢追郁恵の三人だ。三人共今時の女子高生のファッションでスカートを短くして鞄にはアクセサリーを着けてそれぞれ制服を校則が許す限りアレンジしている。伊吹は黒髪をロングにしていてやや垂れ目で満代は茶色のショートヘアで背が高くはっきりした顔で郁恵は胸がありはっきりした目である。
 三人でだ、店のコーヒーを飲みつつ話をしていた。
「昨日の阪神よかったわね」
「佐藤さん三ホーマーでね」
「しかも投手陣は完封リレーでね」 
 同じテーブルに座って話をしていた。
「最高だったわね」
「しかも相手は巨人」
「巨人に三試合連続完封勝ちでね」
「しかも十点差以上入れてたし」
「もう観ていてざまみろ」
「心底思ったわね」
 明るく大声で話す、そしてだった。
 そこからさらに賑やかに話す、だが。
 その三人を見て店員達は困った顔になっていた。
「ちょっとな」
「騒がしいな」
「多少のお喋りならいいけれど」
「あの娘達声が大き過ぎるぞ」
「他のお客さんもいるし」
「それに長い時間喋ってるしな」
「もうちょっと声のボリューム下げて欲しいな」
 こう言うのだった。
「もうちょっとな」
「静かにして欲しいな」
「喋るなとは言わないけれど」
「それはな」
「ううん、ここは」 
 ここで彼は言った。
「彼に出てもらうか」
「アンドレさんですか」
「フランスからの留学生の」
「あの人に出てもらいますか」
「彼に一言言ってもらえれば」
 それでというのだ。
「収まる筈だよ」
「ですね、それじゃあ」
「アンドレさんに出てもらいましょう」
「ここは」
「そうしてもらおう」
 こう言ってだった。
 店長は店の奥で作業をしていた新入りの留学生に出てもらった、そして三人のところに行ってもらった。
 三人は相変わらず喋り散らかしていたが。
「お客様」
「!?」
「何?」
「何があったの?」
「申し訳ないですが少しお静かに」
「えっ・・・・・・」
 こう言ってきた店員を見るとだった。
 二メートルを遥かに超える堂々たる体格にだった。 
 赤髪をアフロヘアにした彫のある顔の大男がいた、その彼を見てだ。
 三人共唖然となった、そしてだった。
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