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俺様勇者と武闘家日記
第2部
エジンベア
美少女コンテスト最終審査・後編
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『ベギラマ!!』
「!!」
 まずい!!
 再び放った魔物の呪文に、私は咄嗟に体を屈んで魔物の繰り出した炎を避ける。だがその反動で、舞い上がったドレスの裾に火が燃え移ってしまった。
「わああっっ!?」
 思わぬ非常事態にパニックになってしまった私は、炎が体に燃え移る前に、急いでドレスについた火の粉を払い落とす。
『どうした? わしの魔力がなくなるまで攻撃するのではなかったか?』
 魔物は皮肉げに言い放つと、再び回復呪文を唱えた。
 これでは埒があかない。何よりいつ唱えられるかわからない呪文が厄介だ。……それなら、呪文を唱える前に倒すしかない。
 私は体勢を整えると、先ほどと同じ様に何度も攻撃を繰り出した。そして魔物の一瞬の隙を見計らい、叩きつけるように渾身の一撃を放った。その衝撃で、魔物は再び吹っ飛ばされる。
 これならあの魔物も……!
『甘い!!』
 それでもなお体を起こし、魔物は近くに落ちてあった木の枝に手を伸ばすと、私めがけてそれを思い切りぶん投げた。
「っ!!」
 私は片手でそれを払い落とす。だが、その瞬間、魔物が高らかに呪文を唱える!
『ベギラマ!!』
 呪文を唱えるのが早い! 判断が遅れた私は、魔物の手から生み出された、迫りくる炎の渦を目の前にして、体が動かなくなる。
 避けきれない!
 私は炎を受け入れる覚悟を決めて思わず目を瞑る。すると――。
「――ベギラマ!」
 ゴオオオオッッッ!!
 突如私の背後から、放たれた声とともに、別の巨大な炎が私の横を素通りした。それは、先に魔物が繰り出してきたものとは比べ物にならないほど激しく燃え盛っている。
 すると、その巨大な蛇のような炎は、あっという間に魔物の放ったベギラマを飲み込んだ。それによってさらに勢いが大きくなったその炎は、獲物を捕捉したかのように、目の前にいた魔物に向かって襲いかかる。
『ヒ……、ヒイイイイイッッッ!!』
 情けない声を上げた魔物は、身体中に巻き付かれるように炎に包まれた。そしていつしか魔物の悲鳴は掻き消え、炎自体も消えると、焦げ臭い臭いだけが残された。
 このベギラマ……、まさか!?
「あれが魔物どもの親玉ってところか」
 その声に、反射的に振り向く私たち。彼の姿が目に入った瞬間、半日も経っていないにも拘らず、私は彼に出会えた喜びと懐かしさで思わず叫んだ。
「ユウリ!!」
「ユウリ様!!」
 木々の間から現れたのは、やはりユウリだった。ここに来る前にもきっと何匹もの魔物を倒したはずだというのに、彼は相変わらず平然としている。
「ユウリ様ーー!! 怖かったですわーー!!」
 ユウリの姿を見た途端、真っ先にユウリに抱きつくヘレン王女。見れば彼女の顔は涙と土でドロドロになっている。おそらく私が戦っている間も恐怖で涙を流し
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