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ドリトル先生とめでたい幽霊
第十幕その五

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「今はね」
「いいことだね」
「阪神が勝てば大阪そして関西が元気になるよ」
「ひいては日本全体が」
「今や全国区の人気チームだし」
「そうなるね」
「うん、そして巨人はね」 
 全世界の邪悪を一身に集めたかの様なこの忌まわしいチームはというのです。
「今ではね」
「お金に任せて補強ばかりして」
「育成も設備投資も怠って」
「技術のノウハウも完全に失って」
「お金がなくなったから」
 だからだというのです。
「今や毎年最下位」
「オンボロの球場でやる気のない選手ばかりで」
「百敗しないシーズンはなくて」
「防御率七点台で打率は二割そこそこ」
「エラーは年二百」
「物凄く弱くなったよ」
「ああなってはいけないよ」 
 今の巨人の様にというのです。
「まさに巨人は反面教師だよ」
「本当にそうよね」
「補強ばかりで強くならないね」
「他チームから選手を掠め取ったりばかりだと」
「お金がなくなってそれが出来なくなったら」
「ああなるのよね」
「そう、今じゃ人気も最下位だしね」 
 阪神と違ってです。
「本拠地の一塁側でもビジターの三塁側でもガラガラだね」
「そうだよね」
「あれこそ凋落だよね」
「悪いことばかりしているとああなる」
「まともな野球をしていないとね」
「人間普通の努力をしていないとああなるよ」 
 先生は皆にこうも言いました。
「巨人の様にね」
「その癖不祥事ばかり多くて」
「ダーティーなカラーだけ定着して」
「誰も巨人が球界の紳士とか思わないね」
「最早日本の邪悪の象徴」
「そうも言われているよ」
 皆もこう言います。
「戦後の日本で何であんなチームが持て囃されたか」
「考えないと駄目だよね」
「あんなどうしようもないチームが人気あったか」
「悪いことばかりしていたのに」
「そうだね、太宰治の話もしたけれど」
 先生は織田作さんのお友達だったこの人のお話もしました。
「あの人ももっと生きていたら巨人を嫌っていた筈だよ」
「そうした倫理観もあったのね」
「太宰治って人は」
「そうだったんだね」
「そうなんだ、太宰は卑怯じゃなかったんだ」
 そうした人だったというのです。
「確かに心中とかして生き方もいい加減だったと批判する人もいるけれど」
「それでもだね」
「卑怯じゃなかったんだね」
「そうだったんだね」
「だから第二次世界大戦でもしっかり言ったんだ」
 そうだったというのです。
「親が負けるとわかっている戦争に行くのについて行かない子供がいるが」
「親が日本だね」
「日本という国だね」
「そうだね」
「そう言っていて戦後急に戦争反対だったと言った人を嫌ったし皇室についてもね」
 この方々についてもというのです。
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