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仮面ライダーAP
第17話 炎の忍者
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「明智天峯……俺達が相手だッ!」
「今ここで、お前を確保するッ!」
「……力量差も分からない小僧共が何を囀っているのですか。あなた達如きでは、私に触れる資格すらないと知りなさい」

 ライダーマンGの姿を隠す盾となるように、肩を並べ並走する仮面ライダー炎とマス・ライダー。その両者を触れずして仕留めてやろうと、マティーニはボクサー達が乗っていたGチェイサーの車体を片手で掴み上げ、軽々と投げ付けていく。
 近距離から高速で飛んで来る鉄塊。少なくともこれまで相対して来たライダー達なら、回避も防御も間に合わないほどの速度であった。

「はぁッ!」
「でぇいッ!」
「……!」

 だが、2人の若獅子はこの土壇場で、己の限界を超えて見せたのである。師の仇を討つため、遥花を守るため、そして警察官としての本懐を完遂するため。炎とマス・ライダーは、Gチェイサーの投擲にも見事に反応して見せたのだ。
 両手の甲で。ワイヤーネットガンの銃身で。いなすようにGチェイサーという名の鉄塊を受け流した2人は、そのまま勢いを失うことなく突撃していく。

「くぅッ! こんな玩具で私が……!」
「天塚、今だ!」
「あぁ分かってる! 頼んだぞ、山口ッ!」

 Gチェイサーの投擲を凌がれたことへの、微かな驚き。その隙を突いてワイヤーネットガンから放たれた網が、マティーニの全身に覆い被さって行く。
 あまりの性能差故か、マス・ライダーが決死の覚悟で撃ち込んだその網も、程なくして破かれようとしていた。だがそれよりも疾く、赤い忍者が拳の届く間合いへと滑り込んで行く。

火炎拳(かえんけん)ッ!」
「ぐ……ぬぅあッ!?」

 高熱の炎を纏う鉄拳。その一撃をかわそうと、マティーニは力任せにワイヤーネットを引きちぎったのだが――そこから脱出する間もなく、胸板に「ライダーパンチ」を受けてしまう。
 激しく吹っ飛び、地を転がった彼が素早く起き上がった時には。すでに炎も地を蹴って宙を舞い、渾身の「ライダーキック」を放とうとしていた。

爆炎脚(ばくえんきゃく)ゥッ!」
「ぐぅお、あがぁッ……!」

 矢継ぎ早に炸裂する、赤熱した脚から放たれた必殺の飛び蹴り。その必殺技を浴びたマティーニは漆黒のマントを揺らし、大きく体勢を崩してしまう。
 そんな彼が炎に気を取られている隙に、ライダーマンGは背後に回り込んでいた。その右腕のハサミは、すでにマティーニの変身ベルトを捉えている。

「これで……決まれぇえッ!」
「が、あッ……!?」

 炎の全身全霊を賭けた2連撃が生んだ、絶好のチャンス。それを活かすべく振るわれたパワーアームの刃が、ついにマティーニのベルトに突き刺さるのだった。
 ベルトから飛び散る火花と噴き上がる黒煙は、確かな「手応え」を物
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