暁 〜小説投稿サイト〜
仮面ライダーAP
第7話 仮面ライダーである前に
[1/5]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 番場惣太主導の元、多岐にわたる技術系統から生み出された「新世代」の試作機達。その中には、稼働時間を犠牲に出力を高めている実験機も幾つか含まれている。
 それらは数分にも満たない時間しか戦えないというデメリットと引き換えに、非常に高い戦闘力を発揮していた。

「ぐ、ぬぅッ!」
「忠義ッ!」
「はいよッ!」

 仮面ライダーケージと仮面ライダーオルバスも、その高出力シリーズの一つなのだ。2人は互いの隙を補い合うように打撃と斬撃を繰り出し、反撃の隙すら与えぬ連続攻撃で、仮面ライダーニコラシカを圧倒している。

「む……!」
「おおぉッ!」

 突き出されたエンジンブレードをジャンプでかわしたニコラシカが、頭上からオルバスを潰そうとした時には。すでにオルバスの背に乗ったケージが、迎撃の鉄拳を放っていたのである。
 予期せぬカウンターを受けたニコラシカは後方に宙返りしつつ、再び防戦一方となっていた。

「……人間風情がここまで俺を追い詰めたこと。その一点だけは、褒めておいてやる」
「そんな余裕ぶっこいでて良いのかい!? 俺達は……この時代のために生まれてきた、『仮面ライダー』なんだぜッ!」

 行ける。勢いは確実にこちらにある。
 そう確信したオルバスは、一気に間合いを詰めながらエンジンブレードを再び突き出していた。

「……ッ!?」
「貴様らが『仮面ライダー』、だと? この程度でか」

 だが、「本気」になったニコラシカの実力はまだ、「底」に至ってはいなかったのである。両拳で挟み込むようにエンジンブレードの切っ先を止めてしまった彼は、反撃の回し蹴りでオルバスの体を吹き飛ばしてしまうのだった。

「うごぁあッ!?」
「忠義ッ――ぐぅッ!?」

 その光景に気を取られた一瞬の隙を突かれ、ケージも続けざまに殴り飛ばされてしまう。ケージに狙いを定めたニコラシカは、無情な鉄拳の連打を放って来た。

「『仮面ライダー』とは母たるシェードすらも穿つ、真に最強たる戦士にのみ許される称号だ。改造人間ですらない貴様らがその名を騙るなど、言語道断と知れッ!」
「ぐあッ!?」
「穹哉さんッ!」

 彼が放つ拳打の嵐は、ケージの反応速度すら上回っている。改造人間と生身との間にある、埋めようのない「差」を見せつけるかのような一撃を受け、ケージも激しく吹き飛ばされてしまうのだった。

 高出力と引き換えに稼働時間を犠牲にしているケージとオルバスのスーツは、すでに停止寸前の状態に陥っている。このままではニコラシカを倒す前に、2人が先に力尽きてしまう。
 まさしく、絶体絶命であった。

「……それは違うぞ、武田禍継」
「なに……?」

 すると。けたたましいエンジン音と共に現れた1台のGチェイサーが、颯爽とニコラ
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ