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ウルトラマンカイナ
完結編 息子達と博物館
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壁隊員。……彼らも私達も、いつかは『過去』となっていく。それは今のような平和が続いて行かなければ、成り立たないことだ。いたずらに蒸し返す必要などない」
「そういうものですかね……」

 竜流達を陰ながら見守っているBURKの隊員達は、彼らの父親達が掴み取った「平和」の重さを知る世代として、歯痒いものを感じているようであったが。その指揮を取っている「隊長」と呼ばれる妙齢の美女は、涼しげな面持ちで竜流の横顔を遠くから見つめていた。

「うぇえ、ぇえぇんっ……パパ、ママぁっ……」
「君、どうしたの? 迷子?」
「この感じはそれっぽいなぁ……おいおい竜流、まさか今回も親御さん探しかぁ? まーた回る時間無くなっちまうじゃねぇか」
「僕らはいつもそんな感じでしょ。今さらだよ」
「それな……。しょうがない、この辺から探してみるか。ご両親も心配してるだろうしな」
「おい坊主、男ならメソメソしてんじゃねぇ。親父とお袋ならすぐにお前を見つけてくれる。だからお前も信じて、ドッシリ構えてな」
「お前はどの立場で物を言ってんだよ……」

 その頃、啜り哭いている迷子の幼児を見つけた竜流達6人は、見学を中断して親探しを始めていた。彼らが、こうして困っている人達を助けるために動き出していくのは、今回に始まったことではない。
 父親達の過去を知らずとも、その身体と心には確かに、平和を愛する「ヒーロー」の血が流れている。迷子の小さな手を握り、励ましている竜流達の姿を目にした隊長は、その確信を得たかのように頬を緩めていた。

「あっ……パパ! ママぁっ!」
「ああっ! どこに行ってたんだ、全く……!」
「あなた達が見つけてくださったのですか!? あ、ありがとうございます、ありがとうございますっ……!」
「はは、別に良いですって、慣れたもんですから。……良かったな、坊主。俺らの言った通りだったろう?」
「……うんっ! お兄ちゃん達、ありがとうっ!」

 それから、10分も経たないうちに。竜流達の尽力が功を奏して、親子は無事に再会を果たしていた。彼らは6人の若きヒーロー達に何度も頭を下げると、家族3人で手を繋いで立ち去っていく。

「あの子達はあの子達なりに、父にも負けない『ヒーロー』になる。……私は今でも、そう信じている」

 その後ろ姿に手を振る少年達の晴れやかな貌は、BURKの隊長――弘原海琴乃(わだつみことの)にも希望と確信を与えていたのである。
 今の夫と共に見つめて来た、ウルトラ戦士達の背を彷彿とさせる少年達の姿に、歴戦の戦乙女は優しげな微笑を浮かべていた。

 ◇

「まぁ……隊長がそう言うなら、俺達も信じるしかありませんねぇ」
「確かに、あの子達の邪魔になるようなことはしたくないですものね」
「だろう? では、一旦
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