暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生とめでたい幽霊
第八幕その四
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「私達あまり知らないのよね」
「中華料理屋さんの中華料理ってね」
 ホワイティも言いました。
「もう昔って感じがするね」
「昭和の趣ってね」 
 ジップはこのことから思いました。
「僕達これまであまり触れて来なかったね」
「もう三十年以上昔のことだから」
「私達も中々触れられないわね」
 チープサイドの家族も思いました。
「織田作さんの頃のことも文学で」
「僕達も史跡研修みたいな感じになってるね」
「だからこのラーメンも」
 ポリネシアは縮れた麺と茶色で上に油が浮いているスープを見ました。
「実はあまりね」
「そう、食べる機会がなかったよ」
 トートーははっきりと言いました。
「ラーメン自体は結構あってもね」
「このチャーシューにメンマも」
 チーチーはそういったもの見ています。
「ここまで昔ながらなのはね」
「そうそう見られないね」
 老馬にしてもです。
「今の日本だとね」
「こうしたラーメンって織田作さんの頃からかな」
 ここでダブダブは思いました。
「そうなのかな」
「うん、ラーメンは元々中華そばといったけれど」
 先生は皆にお話しました。
「関東じゃ支那そばと呼んだらしいけれどね」
「支那って中国のことだね」
「確かチャイナがなまってだったね」
「支那って呼んでいたんだね」
「昔の日本だと」
「清が倒れてね」
 王朝だったこの国がです。
「その後は終戦まで公でもだったよ」
「支那と呼んでいて」
「それで差別用語でもなくて」
「普通に使われていたね」
「大学の中国語学科も支那語学科となっていたんだ」
 こちらもというのです。
「永井荷風さんは東京外国語大学のそちらにいたよ」
「そうだったんだ」
「差別用語でもなくて」
「普通に使われていて」
「公だったんだね」
「そして関西ではそう呼んでいて」
 中華そばと、です。
「明治の終わりから大正に本格的に入ってね」
「それで定着して」
「この味でだったんだね」
「だから織田作さんの頃もなのね」
「このラーメンだったんだね」
「うん、その頃は中華そばともよく呼ばれていたけれど」
 それでもというのです。
「織田作さんの頃もね」
「昭和であって」
「このラーメンだったんだね」
「縮れた麺でトリガラスープ」
「そしてお醤油で味付けしているんだ」
「そうだよ、そして大阪だから」
 それ故にというのです。
「お醤油はね」
「薄口だね」
「薄口醤油で」
「それでだね」
「その味で」
「そうだよ、その味でこうしてメンマやチャーシューも刻んだお葱もあって」
 それでというのです。
「こうした風だったんだ」
「成程ね」
「じゃあ今から僕達はだね」
「そのラーメンを食べるんだ」
「織
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ