暁 〜小説投稿サイト〜
ピラミッドは
第一章

[2]次話
               ピラミッドは
 この時エジプトのファラオであるイムホテプは悩んでいた。
「どうしたものか」
「はい、畑がある時はいいです」
「麦等を作って採る間は」
「その時はいいですが」
「問題はそれが終わった時です」
 周りにいる廷臣達も述べた。
「その時は民達はすることがありませぬ」
「仕事がありませぬ」
「その為その間食うに困り」
「かつすることがありませぬ」
「それで植えたり悪事に走ります」
「そうした者達が出ています」
「そうじゃ、だからな」
 ファラオは難しい顔で述べた、深い皺がある面長の顔で鼻は鷲鼻で目は小さい。その顔には深い思慮がある。
「余もだ」
「今お悩みですね」
「左様でありますね」
「その間の民達をどうすべきか」
「どの様にすればよいか」
「左様、働いて手に入れるものを手に入れてな」 
 そうしてというのだ。
「食せる様になりかつ暇もなくなり」
「悪事もせぬ」
「そうした風にせねばなりませぬな」
「ここは何とか」
「さもなければ国が乱れますな」
「そうなるからな」
 それ故にというのだ。
「ここは何とかしたい」
「ファラオとして」
「国を治める者として」
「そうしたいですな」
「何としても」
「そう考えておる、どうしたものか」
 ファラオは深く考えた、だが。
 この時は答えが出なかった、それでだった。
 暫く考えた、その中で。
 廷臣達は民達のこと以外の政の話をしてきた、それは戦のことであり川のことでありそうしてだった。
「余の墓もか」
「築きましょう」
「大きな墓を築きです」
「ファラオの力を民達に見せ」
「死しても健在で民と国を守ることを見せましょう」
「また神への信仰もです」 
 それもというのだ。
「忘れてはなりませんので」
「そちらのことにもしましょう」
「ですから大きなものにしましょう」
「そうしましょうぞ」
「そうであるな、しかし大きなものにすると」
 どうかとだ、ファラオは廷臣達に述べた。
「金がかかるな、造る為に使うものもな」
「金はあります」
「その分は」
「また造る為に使う石や木もあります」
「そうしたものもあります」
「運ぶのはナイルを使えばです」
 この川をというのだ。
「かなり楽かと」
「船を用いれば」
「ですからこれは出来ます」
「大きなものを築けます」
「しかし人手はどうする」
 ファラオは働く者達のことも話した。
[2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ